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DMUマップとは?顧客の意思決定構造を把握し成約率を上げる方法を解説!

DMUマップとは?顧客の意思決定構造を把握し成約率を上げる方法を解説!

DMUとは顧客の意思決定関与者のことを指します。担当者の購買意欲が高いにも関わらず受注に至らない理由はこのDMU(意思決定関与者)が理解できていないからかもしれません。本記事ではDMUの6つのタイプとDMUマップについて解説します。

BtoBにおけるマーケティング施策の主な目的の一つは「見込み顧客を獲得して商談に繋げる」ことです。

ただ、リード獲得からナーチャリングは問題がないものの、最終的に稟議や決裁が通らず、受注が伸び悩むケースは少なくありません。

ナーチャリングのフェーズまでは進んでいるものの、受注に至らないのはどんな理由があるからなのでしょうか?

その1つが「顧客の意思決定構造を理解できていない」ということです。

法人顧客の購買意思決定関与者のことをDMU(Decision Making Unit)と言いますが、このDMUを理解して上手くアプローチできれば、担当者だけでなく社内稟議や決裁の壁を突破して、受注に繋がる確率が高まります。

そこで、本記事ではDMUに関する基礎知識をお伝えしたうえで、DMUを把握するために有用なDMUマップをご紹介します。

DMUとは

DMU(Decision Making Unit)

DMU(Decision Making Unit)とは、顧客の購買に関する意思決定者や意思決定関与者のことを指します。

主にBtoBマーケティングでは、担当者=決裁者という構図は多くなく、大半は担当者を通じて社内稟議を回したり、担当者の上司に購買の判断を委ねたりします。

意思決定構造が複雑な分、担当者の購買意欲を高めるだけでは、受注まで至らないケースが多いのです。

DMUの重要性について

マーケティング戦略を考える際は、ペルソナ設計やターゲティングを行うことが多いはずです。

BtoCの場合は、個人に焦点を当てて考えるだけで問題ありませんが、BtoBとなると企業ペルソナと個人ペルソナの2軸で考えることが必要です。

さらにここでのポイントは、個人ペルソナは窓口となる担当者1人だけでは足りないということです。顧客の意思決定構造を把握し、窓口担当者だけでなく、意思決定に関与している担当者(DMU)をペルソナとして視野に入れ、マーケティング施策を展開する必要があります。

意思決定関与者の6つのタイプ

この章では、DMU(意思決定関与者)を把握する上で欠かせない6つのタイプについてご説明します。

企業として商品・サービスを導入する場合は、多くの人が意思決定に関わるため、窓口となる担当者以外にどのような役割の人が存在するのかを把握しておく必要があります。

意思決定関与者の6つのタイプ

0. 窓口担当者

当然ですが、窓口担当者はDMUの把握に欠かせません。

意思決定の観点で考えると、もし窓口担当者が決裁権を持っていれば、この人からの信頼を勝ち取ることで受注できます。

しかし、そうでないことがほとんどであるため、窓口となる担当者が意思決定にどれくらい関与するのか、何を求められて検討しているのかなどをヒアリングできるとDMUをより詳細に把握でき、受注に繋げられます。

1. ユーザー(使用者)

ユーザーは、実際にサービスや商品を導入した際にそれを使う人を指します。

例えば、営業支援ツールを販売する場合、営業企画部門の担当者が窓口となって話が進むケースがよくみられますが、実際に日々の情報入力をするのは営業部門の一般社員です。

使い勝手の良さや現場での評価は、実際のユーザーの意見が反映されがちなので、ユーザーのニーズや意見のヒアリングは大切です。

2. ディサイダー(決定者)

ディサイダーは、最終的な決定権をもつ役割の人を指します。

先ほどの例であれば、営業企画部門の担当者が営業支援ツールの比較・検討を進めていき、ベンダーとの商談後に社内検討の場に上げます。

そして、営業部長や取締役、あるいは社長自身が検討に加わり、話し合いの結論を出す人(ディサイダー)となります。

どれだけ担当者が導入したいと思っていても、ディサイダーがNOと言えば通らないのがBtoB商材の難しいところです。

3. インフルエンサー(関与者)

インフルエンサーは、担当者や後ほど紹介する起案者の相談役のような役割です。

購買意思決定のプロセスに直接関与するわけではありませんが、考えがまとまらず迷っている場合には、担当者がインフルエンサーの助言を受けながら検討を進めるケースがあります。

同様の例で、営業企画部門の担当者がITツールに関する知見が薄い場合は、「営業部門の中にいる○○さんは、前職で営業支援ツール導入に携わった経験がある」となると、その方がインフルエンサーとしての役割を担い、影響力を持ちます。

4. 購買者(バイヤー)

バイヤーは、その名の通り商品やサービスを購入する役割の人を指します。

購買部門を設けている企業の場合は、購買部門の担当者も交えて検討されるケースがあります。

予算やROIなど、お金に関する内容は特にバイヤーがチェックしていることが多いので、メリットやベネフィットのアピールばかりにならないように注意が必要です。

5. 起案者

起案者は、組織内で課題を見つけ、改善に関する案や要望を打ち出す役割の人です。

「顧客データや案件の進捗状況が様々なデータベースに存在していて把握しづらいので何とかしてほしい。」
という要望を受けて、改善案を出す営業企画部のマネージャーなどが起案者に当たります。

その後のサービス検討や商談は、起案者の要望が中心となって検討されるので起案者のニーズを満たしていなければいけません。

6. チェッカー

チェッカーは、検討している商品やサービスについて予算や内容を確認する役割の人です。

起案者やユーザーのニーズを満たせていても、予算や最低使用期間といった契約に関する条件が合わなければ、受注には至りません。

チェッカーに納得してもらえるように、他社との比較や長期的な料金のシミュレーションなどの工夫が必要です。

DMUの把握に役立つDMUマップとは

ここまで、企業の意思決定構造に関わる6つの役割をご紹介しましたが、それだけではターゲットの意思決定構造を理解するのは難しいでしょう。

そこで役に立つのがDMUマップです。

DMUマップと呼ばれる、担当者を中心として、その関与者の存在とそれぞれの役割を記載した図を作成することで、全体像を可視化し、顧客理解を深めることができます。

DMUマップ作成により、以下の要素が明確になります。

・窓口となる担当者とその周囲の人物の関係性
・各人物の役割や組織内のキーパーソン

顧客の意思決定の全体像を知ることは営業活動だけでなくマーケティング施策においても大いに役立ちます。それぞれの役割の人がどういった情報を求めるのか整理することで、サイトに載せる情報を見直したり、メルマガの配信内容をブラッシュアップしたりと、成果に繋げるための工夫が可能です。

DMUマップの具体例

更に理解を深めていただくために、DMUマップの具体例をご紹介します。

今回の例の顧客情報は、以下の通りです。

・医療機器の販売を行っている
・窓口担当者は営業企画部マネージャーの要望で営業支援ツールを探している
・最終的な導入の決定権は、予算を持っている営業部の部長にある
・窓口担当者には、営業支援ツールの知見がないため、営業部の人を頼りながら検討を進めている

DMUマップの具体例

DMUマップの作成手順

上記のようなDMUマップを作成する手順は、以下の通りです。

手順1. 顧客情報の収集、ヒアリング

まずは、顧客に関する情報を集めて整理します。

顧客企業の業種、事業規模などの基本情報のほか、問い合わせや商談に至った背景や課題、窓口担当者に決定権がどれくらいあるかや意思決定にどんな人が関わっているかをヒアリングし、まとめます。

顧客情報の収集は、マーケティング部門だけでなく営業部門の担当者と協力しながら進めていくのが理想です。

手順2. 担当者を中心に関係者を配置

顧客情報をまとめたら、担当者を中心にマッピングしていきます。

担当者=決裁者であるようならマッピングする必要はないかもしれませんが、規模が大きい会社や決定権のない担当者との商談の場合は効果的です。

手順3. それぞれの関係性を書き込む

最後に各人物の関係性を可視化します。
矢印や記述などを用いて、関係性をマップに落とし込みましょう。

DMUマップを活用する時のポイント

最後に、DMUマップをどのように活用していけばいいのか、そのポイントをお伝えします。

ポイント1. テンプレートの作成

DMUマップを最大限に活用するためにオススメなのが、テンプレートの作成です。

マーケティング施策の開始時に定めたターゲット(ペルソナ)を参考に、多くの顧客の意思決定構造に当てはまるDMUマップをテンプレートとして準備しておきます。

そして、営業アプローチをかける企業ごとに、必要であれば構図を変えたり、追記してテンプレートをカスタマイズすることで、DMUマップ作成の工数を効率化できます。

ポイント2. 関係者の意思疎通に活用

DMUマップは、施策に関わっているマーケターと営業の意思疎通にも役立ちます。

職域の違いから、マーケターと営業の考え方や手順に食い違いが生じることは少なくありません。

1社の顧客に対して、複数人で企画や商談に取り組む場合には、DMUマップを作成することで顧客に対する共通理解を前提に、話を進めることができます。

まとめ

DMUマップは、主にBtoBの営業・マーケティング活動において、受注率を高めるための方法です。

ただ、DMUマップの効果はそれだけでなく、ターゲットの意思決定構造の理解度を深めたり、各部門の共通言語として活躍したりと使い方によっては多くのメリットがあります。

複雑な意思決定構造が把握できず受注数に悩んでいるという場合には、営業の方と協力して、ターゲットとなる企業のDMUマップを作成してみてはいかがでしょうか。