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ブログ「明日のマーケティングは、今日の発見から。」

基礎から学ぶデータドリブンマーケティング|メリット・手順・成功事例をまとめてご紹介!

基礎から学ぶデータドリブンマーケティング|メリット・手順・成功事例をまとめてご紹介!

データドリブンマーケティングの特徴は、勘や経験に頼るのではなく数字にもとづいて施策を進めることで潜在ニーズへの訴求やマーケティング施策の最適化を可能にすることです。本記事では、データドリブンマーケティングの基礎を事例付きでご紹介します。

マーケティングで成果を出すには、顧客ニーズの理解や購買行動に合わせた施策の最適化が重要です。

しかし、顧客ニーズは近年、多様化を続けており、購買行動もデジタルテクノロジーの発展に伴い、年々複雑化しています。

そのため、
「自社の顧客が何を求めているのか?」
「どのような経路で自社の商品を見つけ、購入に至っているのか?」
に関して明確な答えを見つけ出せず、悩むマーケターも少なくないはずです。

そこで重要になってくるのが「顧客データ」の活用です。

質の高い顧客データを蓄積し、集めたデータをもとに改善を進めることで、顧客像やニーズの明確化、マーケティング施策の最適化が可能になります。

本記事では顧客データを活用したマーケティング、いわゆる「データドリブンマーケティング」について解説します。

データドリブンマーケティングは海外の有名企業や日本の大企業でも既に取り入れられており、高い成果をあげています。

顧客理解に悩んでいるマーケターの方は、ぜひ最後までご覧ください。

データドリブンマーケティングが注目される理由

データドリブンマーケティングとは、企業が持つ顧客情報や利用履歴などのデータをもとに行うマーケティング手法のことです。

一昔前であれば「大量のリストを獲得し同一メッセージを送る」といったマーケティング手法が一般的でした。ただ、その手法も現在は効果が薄いとされています。

その理由は顧客ニーズの多様化にあります。現代の顧客は、インターネットを使って欲しい商品を探したり、友達のオススメ商品を購入したりと、能動的に購買行動を進めるようになりました。

そのため、企業主体の購買行動から顧客主体の購買行動へと変化しており、それに伴い顧客は自身のニーズにピッタリの商品を気軽に探せるようになりました。

このように、顧客ニーズの多様化が進んだ結果、大衆受けするマーケティングではなく、データを活かして個にフォーカスしたマーケティングが重要視されています。

また、ITテクノロジーの発展により自社内で大量のデータを簡単に蓄積、管理、分析できるようになったことも、データドリブンマーケティングが注目されている要因の一つです。

データドリブンマーケティングに必要なツール

データドリブンマーケティングを行うためには「ITツール」を活用し、データを収集・管理する必要があります。

いくつか主なITツールをご紹介していきます。

DMP

DMP(Data Management Platform)は、Webサイトの閲覧履歴や問い合わせ履歴からユーザーの情報を収集、管理するためのプラットフォームです。

DMPには、外部の分析ツールによって得た情報を活用するオープンDMPと、自社で収集した情報も交えながら活用するプライベートDMPがあります。

DMPを活用することで、集めた顧客情報を行動や属性毎にグルーピングしてマーケティング施策を進めることができます。

CRM

CRM(Customer Relationship Management)とは、直訳すると「顧客関係管理」となり、主に既存顧客と良い関係性を構築、維持し長期的な売上に繋げていくためのシステムです。

CRMに活用されるツールには、既存顧客の氏名や電話番号といった個人情報からサービスの利用目的や長期的な関係を築くためのアクション管理まで行えるものもあります。

Salesforce Sales CloudやHubSpotというCRMツールの名称をご存知の方も多いのではないでしょうか。

DMPとの違いは、扱う情報です。DMPの場合はWeb上のデータや外部の分析データを用いる一方で、CRMは自社で収集した既存顧客データを扱うという違いがあります。

BI

BI(Business Intelligence)ツールは、収集したデータの可視化や分析に役立つツールです。

データを活用するには、ただの数字の集まりからグラフや図などに可視化する必要があります。

そのため、集めたデータを可視化、分析するBIツールはデータドリブンマーケティングをより効率的にします。

DMPとの主な違いは、BIツール自体にはデータを蓄積する機能がないことです。

今回は基礎編ということで触りだけのご紹介ですが、それぞれのツールの概要はぜひ押さえておいてください。

データドリブンマーケティングのメリット

 
この章では、データドリブンマーケティングを活用するメリットを2つご紹介します。

データドリブンマーケティングのメリット

メリット1. 顧客ニーズを可視化できる

冒頭でも触れたように、近年の消費者ニーズは多様化しており、同じ商品カテゴリであっても顧客によって好みや楽しみ方、抱える悩みは違います。

例えば、化粧水という商品一つとっても、同じ年代にも関わらずニーズが異なるケースが存在します。

「30代の化粧水の購入データ」を詳しく分析することで、
・どの価格帯の商品がよく購入されているのか
・前年と比べてどんな悩みにマッチした商品が売れているのか
・毎年変わらない鉄板の悩みは何か
などを、数値の根拠とともに把握することができます。

30代女性全般でニキビケアに効果のある化粧水の売上が増えていれば、「コロナ過でほぼ必須となるマスクの着用によって起こる肌荒れを防ぎたい」というニーズが見えてきます。

また、3歳未満の子どもがいる30代女性に対象を絞って分析することで、「タイプの異なった化粧水のお試しセット」が好まれているとわかれば、「産後の肌質の変化によって自分に合った化粧水が見つからない…」という悩みが浮かび上がってきます。

このように顧客の潜在的なニーズをデータから可視化することで、どのターゲットにどういったマーケティングメッセージを届ければいいのかが見えてくるわけです。

メリット2.ターゲットの購買行動に合わせて施策を最適化できる

マーケティング施策は顧客の購買行動に合わせて最適化することが重要です。

例えば、化粧品を販売するためにSNS広告を活用したいが、どのSNSに広告を出稿すれば良いのか分からない…と悩むマーケターの方もいらっしゃるでしょう。

ここで顧客の購買データがあれば、顧客がどのSNSから商品を認知、比較、購入しているのかをひと目で把握することができます。

例えば、20代女性の購買データを見ると、「Instagramの口コミで紹介された商品紹介ページから、化粧水の購入が多い」ことがわかったとします。

このデータから、「20代に人気のインスタグラマーを起用してInstagram広告を出稿する」という施策が効果が高いと考えられますよね。

上記はあくまで一例ですが、ターゲットの購買行動に合わせてどの媒体に広告を出すかを判断できるようになります。

可視化されたデータから顧客の購買行動を把握し、そこに合わせた施策を展開することで、無駄なコストや時間を省きながら売上の増加を目指せます。

データドリブンマーケティングの手順

データを活用してマーケティングを進めることで、より客観的な根拠をもって施策に取り組めることが分かっていただけたのではないでしょうか。

ここからは、データドリブンマーケティングの具体的な3ステップをご説明します。

データドリブンマーケティングの手順

今回はあくまで基礎編ということでそれぞれの手順の概要を見ていきましょう。
 
ここでは、自社ECサイトと2つの実店舗を持つ、20代〜40代の女性向け化粧品販売会社を例にご説明します。

手順1.データの用意

まずは、施策のもととなるデータを用意するために、社内の顧客データや商品販売データを1か所にまとめる作業が必要です。

例で言うと、ECサイトと実店舗ごとに記録している顧客情報や売上、商品別売上のデータなどがそれに当たります。

もし、データをまとめるためのツールが無い場合や、そもそも活用するデータがないという場合には、先ほどご紹介したITツールを活用して進めていきましょう。

手順2.データの可視化

次に、集めたデータを分析しやすいように、グラフや図などに可視化します。

例えば、「月間売上の商品別割合」や「各商品の性別・年代別売上」など、さらには「既婚・未婚者別の顧客単価」、「年代別のリピート率」などを割り出し、パッと見て全体の概要が掴めるようにデータをまとめましょう。

グラフや図などに落とし込んで可視化することで分析の効率が上がりますし、メンバーとの共有もスムーズになります。

データの可視化にも、先ほどご紹介したBIやDMPといったITツールが役立ちます。

手順3.データの活用

最後に、整理したデータを分析し、改善へのプランを練ります。

例えば、現状の課題を「自社で開発した化粧水のリピート率が低い」こととします。

であれば、手順1、2の段階で、「全年代のリピート率」と「年代別のリピート率」を可視化しておきます。

「全体のリピート率が35%、20代が18%、30代が33%、40代が54%」だった場合、20代のリピート率が全体のリピート率を下げているのは一目瞭然です。

ここからさらに、20代の中でもどういった属性の顧客がリピート率が低いかをさらに細分化してみていきます。

すると「20代前半の女性のうち、会社に勤めている方」が極端にリピート率が低いことが分かったとします。

20代前半の女性会社員を対象にしたアンケートを取ってみると
・皮脂量が多く、メイクが崩れやすい
・出社の際のマスク着用でメイクが崩れやすい
などの悩みを抱えていることが分かりました。

上記の悩みを解決するための最適な商品をランディングページなどで紹介することで、効果を感じてもらいやすくなり、結果としてリピート率が向上するかもしれません。

このように、データを読み取る時は、まずデータの大枠を捉えて、徐々に細かい部分を見ていくのがポイントです。「全体→細部」の順に把握していく中で、自社の課題やここ数年の顧客データの変化に気づくことができます。

また、改善プランを考える時はすぐにアクションに移せるところまで落とし込めるかが重要です。

「ここの数字が悪いから、改善していこう!」という方針だけを決めて満足しては成果に繋がらないので、実際の行動計画まで具体的に落とし込みましょう。

成功事例

最後は、実際にデータドリブンマーケティングに取り組んで成果が出た事例をご紹介します。

事例1.日清食品株式会社

日清食品では、主力商品であるカップヌードルやチキンラーメンが高齢者に売れにくくなっているという課題に直面していました。

どうしても若者向けのイメージがあるカップラーメンを高齢者に販売するために、アクティブシニアと呼ばれる「SNSで積極的に投稿、シェアをしている熟年層」に着目しました。

そしてアクティブシニアのSNSをデータ分析した結果、豪華な食事の写真などを投稿して楽しんでいることが分かりました。

そこでこれまでの健康志向を打ち出した商品から、ふかひれやすっぽんなど豪華な食材を取り入れたカップラーメンを発売した結果、約7カ月で1400万食も売れる結果となりました。

データから顧客ニーズを明確にし、商品化したことが成功の要因と言えます。

事例2.株式会社JTB

 
旅行会社JTBでは「データサイセンスセントラル」と呼ばれる、データドリブン戦略の要となる部署を設けています。

その部署では、DMPを活用して顧客像を鮮明に掴むことに取り組んだ結果、出張女子と呼ばれる「会社の出張によって旅行会社を利用する女性顧客」に最適な宿泊プランを用意することで、CV率を45%増させることに成功しました。

サービス利用の背景や力を入れるべきニーズをデータを用いて明確にした事例となっています。

まずは顧客データの収集から始めましょう。

先の読めない今の時代に、企業が生き残っていくためには時代や消費者の変化に対応することが重要です。

その点においては、デジタルデータの活用はもはや必須といっても過言ではないかもしれません。

ただ、これまでWeb上の取り組みにあまり力を入れて来なかった…という方は、一体何から始めれば良いのか分からないことでしょう。

今回ご紹介したデータドリブンマーケティングを進める場合には、まず顧客データを集めることが第一歩です。

質の高い顧客データを手に入れれば、それだけその後のマーケティング施策も質の高いものになります。

もし、顧客データの集め方が分からない…という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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