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ブログ「明日のマーケティングは、今日の発見から。」

マーケティングファネルとは?活用例を交えて基本をわかりやすく解説!

マーケティングファネルとは?活用例を交えて基本をわかりやすく解説!

マーケティング施策で成果を上げるためには、顧客の購買プロセスを把握することが欠かせません。顧客の購買プロセスをふまえて、自社のマーケティングにおける課題を抽出・改善するために役立つ「マーケティングファネル」というフレームワークをご紹介します。

いきなりですが、質問です!
中学の理科の授業を思い出してみてください。

実験で大きなガラス瓶から口の小さい容器に液体を移すときに使ったものといえば・・・?

そうです。答えは「ろうと」です。
誰しも一度は実物を目にしたことがあるのではないでしょうか。

ろうと

ろうとは英語で「ファネル」と言いますが、マーケティングの分野でもマーケティングファネルと呼ばれるフレームワークがよく活用されています。

マーケティングファネルを理解し活用することができれば、顧客が自社の商品やサービスをどのようなプロセスで購買に至っているのかを可視化でき、マーケティングプロセス上の課題を抽出、改善しやすくなります。

そんな、マーケティングファネルの基本を活用例と併せて解説します。

マーケティングファネルとは?

マーケティングファネルとは、顧客が商品を認知してから購入するまでの購買フェーズと各フェーズごとの見込み顧客数の多寡を可視化したものです。

購買フェーズが購入に近づくほど見込み顧客数が少なくなっていき、その形がろうとに似ていることから「ファネル」と言われています。

ファネル

マーケティングファネルについて理解する際に重要なのが「AIDMAの法則」と言われる顧客の購買プロセスです。

AIDMAの法則とは、顧客の購買プロセスを5段階に分けて、それぞれのフェーズに適したコミュニケーションをとれるように分析するためのフレームワークです。

AIDMAの法則は以下のように表されることが多いです。

・Attention(注意)
・Interest(関心)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(行動)

上から下に向かうにつれて顧客の購買意欲は高まっていく一方、その数は減っていきます。
つまり、マーケティングファネルとはAIDMAの法則をベースにして、顧客の購買プロセスと各段階の顧客の数を一緒に可視化したものです。

最近ではAIDMAだけでなくAISASやSIPSなど様々な購買行動モデルが提唱されていますので、もしご興味のある方は以下の記事もご覧ください。

マーケティングファネルが重要な理由

ではなぜ、マーケティングファネルは重要だと言われているのでしょうか。

マーケティングファネルの一番のメリットは、自社のマーケティング施策が顧客の購買プロセスのどの部分に課題を抱えているのかを明確にできる点です。

マーケティング施策の成果が思うように出ない場合、当然ですが課題を抱えているポイントを改善する必要があります。しかし、課題がどこにあるのかを把握しないまま、打ち手を考えてしまっては余計な時間や手間がかかってしまうでしょう。

例えば、「自社のサービスサイトに訪れてメルマガ登録した顧客に対して、購買を促すメールを送っているが成果が出ない」状況を想像してみてください。

この場合、メールからの購買率を上げるためにメール本文内のCTAを増やしたり、セールス文を工夫したりといった改善では効果が薄いことが想定されます。

なぜなら、顧客はまだ自社サービスについて今すぐ購入しようというフェーズではなく、関心を少し持っているだけである可能性が高いからです。

もし今すぐそのサービスが欲しいと思っていたらメルマガ登録ではなく、実際に購入しているはずですよね。わざわざメルマガ登録を選んだということは「関心」は一定ありつつも、まだ購入には少し迷いがあったり、もう少し期間が経ったら購入しようと考えていたりするのかもしれません。

つまり、顧客が購買プロセスの「関心」「欲求」「記憶」といった段階に至っていないことが課題です。

ですので、メールからいきなりサービス購入を促すのではなくサービスがもっと欲しくなるような事例を配信したり、サービスの存在を忘れられないように配信ペースを工夫したりといった改善を進めれば成果につながりそうです。

このように施策の成果が出ないときやマーケティング施策全体を見直すときに課題を明確にできることから、マーケティングファネルは多くの企業で活用されています。

マーケティングファネルの3つの種類

この章では、マーケティングファネルの種類を3つご紹介します。

1. パーチェスファネル

パーチェスファネル

パーチェスファネルは、最も一般的なファネルで先ほどご紹介したAIDMAの法則をもとに作られたモデルです。

パーチェスファネルの構造は3つの層に分かれていて、それぞれに名前がついています。

TOFU(Top of the Funnel)

TOFUは、パーチェスファネルの一番上の層に当たります。この層は、自社の商品やサービスを知ってもらい、次のプロセスへと繋げていく段階です。

この層に課題がある場合は、例えば、配信しているWeb広告を見直したり、プレスリリースを配信したりといった認知獲得のための施策改善が求められます。

MOFU(Middle of the Funnel)

MOFUは3つの層のうち、真ん中の層に当たります。この層は、自社の商品やサービスに関心を持ってもらい、購買意欲を高めた見込み客を増やしていく段階です。

その層に課題がある場合は、ブログやメルマガなどで顧客の課題を顕在化させ、自社商品・サービスのメリットを訴求する、SNS等を通じて顧客とのコミュニケーションを強化するといったアクションが求められます。

BOFU(Bottom of the Funnel)

BOFUは、パーチェスファネルの一番下の層に当たります。この層は、購買意欲が高まった見込み客に向けて最後の後押しをして、購買へと繋げていく段階です。

この層に課題がある場合は、成功事例の紹介や購買後のサポート紹介などを通じて、安心した状態で購買できるようにするのがおすすめです。また、割引や無料プレゼントといった特典などでお得感を伝えるといった後押しも有効です。

2. インフルエンスファネル

インフルエンスファネル

インフルエンスファネルとは、顧客の購買後の行動プロセスを可視化したものです。購買行動を表していたパーチェスファネルとは反対に、インフルエンスファネルは三角形で表されます。

マーケティングでは新規顧客を追いかけるだけではなく、既存顧客にいかに継続してもらい、既存顧客を起点に新規の顧客に繋がる口コミを生みだすかという点も重要です。

インフルエンスファネルも3つの層に分かれています。

継続

顧客が購買に至った後、まず目標にすべきは継続利用です。インフルエンスファネルの場合も、一番上に「継続」が位置しています。

この層の顧客には、リピート利用を促すアプローチを進めていきます。具体的には、今後のイベント情報の配信や新商品の紹介、お困りごとのヒアリングといった購買後のフォローが有効です。

紹介

人の心理にはウィンザー効果という、第三者を通じて得る情報を信頼しやすいといった特徴があります。友達に紹介してもらった商品を買った経験がある方は本ブログをお読みの方の中にもいらっしゃるはずです。

マーケティングにおいても、リピートしてくれるファンが積極的に紹介してくれるようにんなれば、新規顧客を獲得しやすくなります。

この層の顧客には、友人や身の回りの人に紹介してもらえるように紹介プログラムを実施したり、お試しセットを配布するといった施策を進めていきます。

Web施策であれば、アフィリエイトを取り入れるのも一つの手です。

発信

インフルエンスファネルの最下層は、顧客による発信です。いまや、企業の広告よりも個人のブログやSNSによる発信の方が、顧客の購買行動に大きな影響を与えるとも言われている時代です。

顧客の口コミやレビューを個人メディアを通じて発信してもらえるように、話題性をアピールしたり、アンバサダーマーケティングを取り入れたりといった手法が効果的です。

アンバサダーマーケティングについては以下の記事で解説しています。

3. ダブルファネル

ダブルファネル

ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたものです。

先に紹介した2つのファネルは、単体でも十分に効果のあるフレームワークですが、認知獲得から購買後の発信まで、顧客の行動全体を把握するためにはダブルファネルが最適です。

ダブルファネルは4つの段階に分かれています。

・プロモーションフェーズ(パーチェスのTOFUにあたる)
・アクイジションフェーズ(パーチェスファネルのMOFU、BOFUにあたる)
・リテンションフェーズ(インフルエンスファネルの継続にあたる)
・インフルエンスフェーズ(インフルエンスファネルの紹介、発信にあたる)

基本的には、パーチェスファネルとインフルエンスファネルをそれぞれで活用し、全体を捉える際に合わせて活用する形で問題ありません。

ここまでご紹介した3つのファネルをまとめると以下の通りです。

3つのファネル

マーケティングファネルの活用例

この章では、マーケティングファネルを用いて施策の分析、改善を進めるための例をご紹介します。

マーケティングファネルを活用するには、どの層を改善すべきか1つ1つの数字をチェックすることで改善へと繋げていくことが大切です。

例としてここでは、マーケティングオートメーションツールを提供しているBtoB企業で考えてみます。

まずは、パーチェスファネルを見直します。
パーチェスファネルを見直す際には、以下のポイントを参考にしてみてください。

確認するポイント

次に、インフルエンスファネルを見直す際のチェックポイントです。

確認するポイント

上記をもとに課題を抽出することで、効果のある改善を進めることができます。ぜひ具体的な数値をもとに各フェーズの状況を整理してみてください。

マーケティングファネルは時代遅れなのか?

ここまでマーケティングファネルについてご紹介してきましたが、実は「現代の顧客には適していない」、「時代遅れだ」という声も増えてきています。

その理由には、現代の顧客の購買行動が複雑化していることが挙げられます。マーケティングファネルにおける顧客の行動は画一化されたものであり、一直線型とも言えます。

ですが現代の顧客は、商品を調べているうちに全く違う商品に興味をもち、最終的に全く違うものを買うといった複雑な動きをする場合も少なくありません。

また、顧客の年代によって行動に大きく差が出るといった声もあり、ファネル通りに行動する顧客は減りつつあります。

だからといってこのマーケティングファネルが活用できないわけではありません。マーケティングファネルはマーケティング施策上の課題を整理するための最初のフレームワークに最適です。

顧客の購買行動に関するフレームワークには他にもカスタマージャーニーマップなどもありますが、フレームワークを理解し一から自社に落とし込む作業は少し難易度が高めです。

まずは、マーケティングファネルで自社のマーケティング施策の課題整理を進めていき、慣れてきたら、AIDMA以外の最新購買行動モデルをもとに自社なりのマーケティングファネルを構築したり、カスタマージャーニーマップを作成したりと徐々にレベルを上げていくのがよいでしょう。

まとめ

マーケティングファネルは、現代の顧客には当てはまらないという声があるものの、まだまだ現役で活用できます。

顧客の行動を把握してアプローチするという考え方はとても重要で、マーケティングの基本ともいえるフレームワークです。自社のマーケティング施策がどの段階に課題を抱えているのかをしっかり分析して、成果を最大化していきましょう。

もし、顧客の関心を高める段階に課題を抱えている場合はぜひピクルスにお声がけください。診断コンテンツをはじめとした、顧客の興味を惹き関心を持続させる施策をご提案させていただきます!