
マーケター必見!デザイナーとのコミュニケーションの秘訣6選
デザイナーに対して制作の依頼やレビューをする際、何をどのように伝えればよいか悩むことは多いと思います。本記事では、デザイナーの役割を踏まえながら、デザイナーとコミュニケーションをとる際の6つのポイントをご紹介します。
公開日:2022.7.29
広告バナーやWebサイト、販促資料など、マーケターの皆さまがデザイナーに直接制作を依頼する機会は多いかと思います。
しかし、制作の依頼やレビューをする際、デザイナーに対して何をどのように伝えればよいのか分からず、苦戦されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その結果、
「思っていたようなクリエイティブができない…」
「修正指示を出しているのに、その通りに動いてくれない…」
など、制作物の進行が想定通りに進まないことが発生してしまいます。
こうした事態を防ぐために重要なのは、「デザイナーとのコミュニケーションの取り方」を工夫することです。
そこで今回は、デザイナーである筆者の経験も踏まえて、デザイナーと直接コミュニケーションを取る際のポイントをお伝えします。社内・社外関わらずデザイナーとの様々なコミュニケーションの場面で活用できます。
ぜひ、普段デザイナーと接する場面を思い浮かべながら、チェックしてみてください。
まずはデザイナーの役割を理解する
具体的なコミュニケーションの秘訣をお伝えする前に、まずはデザイナーの役割からおさらいしましょう。
そもそもの役割を理解できていないと、相手の知りたいことや大事にしているポイントなどが分からず、コミュニケーション齟齬が発生しやすくなります。
デザイナーに限った話ではありませんが、コミュニケーションで一番重要なことは「相手を理解すること」です。まずは相手を知り、相手が求めていることを把握しましょう。
では、デザイナーの役割とはなんでしょうか?
私自身もデザイナーという仕事をしていて、よく誤解されがちなのですが、「センス良く見た目を整えること」だけが役割ではありません。
まず、デザインの本来の意味は「設計」であり、見た目の装飾を綺麗に整えることだけを指す言葉ではないのです。デザイナーも同様で、制作物の見栄えを良くすることはあくまで手段の一つでしかなく、本来の役割は「届けるべき相手にわかりやすく情報を伝えること」です。
そのため、伝える相手の理解、制作物のコンセプト設計、情報の構造化など、アウトプットを作るための情報設計もデザイナーの業務範囲です。決して、見た目を整えてくれるだけの作業者ではないので、注意しましょう。
なお、デザイナーの中でも専門領域があり、グラフィックデザイナーやWebデザイナー、UIUXデザイナーなど、アウトプットの媒体によって領域が分かれています。しかし、先に述べた役割である「届けるべき相手に分かりやすく情報を伝えること」は、全デザイナーに共通するポイントですので、ぜひ覚えておいてください。
制作依頼時のコミュニケーションのポイント
デザイナーの役割を踏まえた上で、ここから具体的なコミュニケーションのポイントをご紹介します。
まずは、最も重要とも言える制作依頼時のコミュニケーションのポイントです。
どんなに腕のいいデザイナーであっても、制作に必要な要件を正しく把握できていなければ、最適なクリエイティブの制作は難しいでしょう。その結果、手戻りが多くなり、依頼側と制作側の双方にとって不幸になりかねません。
デザイナーへ制作を依頼するときは、以下3つのポイントを押さえておきましょう。

1. 制作の目的・背景を伝える
前章でお伝えした通り、デザイナーの役割は「届けるべき相手にわかりやすく情報を伝えること」です。届けるべき相手は誰なのか、制作の目的・背景を丁寧に伝えましょう。
目的や背景を伝えず、「この商材の広告バナー、かっこいい感じに作っておいて!」だけでは、何が最適なクリエイティブなのかを判断することができません。
目的とは、このクリエイティブを通じて、誰にどんな行動を起こして欲しいのか?を明確にすることです。背景では、なぜ今このタイミングで必要なのか?今どんな問題を解消したいのか?などを整理して伝えましょう。
また、社外のデザイナーなど、自社商材への理解が浅い場合には、商材の目的・コンセプトなども伝えておくのがポイントです。つい忘れてしまいがちですが、このような前提がすりあっているかはこまめに確認することが必要です。
2. 完成イメージは言葉だけでなくビジュアルで共有する
制作の目的と背景を伝えたら、最終的なクリエイティブのイメージを共有します。いざクリエイティブが完成したときに「思っていたものと全く違っていた」という事態にならないよう、事前に世界観のイメージのすり合わせは欠かせません。
「かっこいい感じ」「シンプルに」という言葉だけでは、人によってイメージするものがブレてしまうため、いくつか参考ビジュアルを用意しておくことがおすすめです。
社内の過去の制作事例であったり、他社の制作物であったり、またはPinterestなどの参考作品サイトから、イメージに合ったものを探してみてください。もしピッタリの参考ビジュアルが見つからない場合は、「こんなイメージは違う」のようにNG例の共有でも大丈夫です。
言葉だけでなくビジュアルのイメージを共有することで、あらかじめ共通認識を作り、最終的なクリエイティブが依頼内容からずれにくくなります。
3. 掲載する情報量はできるだけ厳選する
マーケターが掲載する要素を考える際、ついあれもこれも伝えようとして、情報を盛り込みすぎてしまうことはよくあります。しかし、相手に分かりやすく伝えるためには、情報を削ぎ落として、本当に伝えたいことだけに絞ることも必要です。
A4チラシや600×600pxの広告バナーなど、デザインできる面積は限られているため、掲載する情報量が多すぎると、どうしてもデザインしきれなくなってしまいます。
そのため何を一番に伝えたいかを整理し、情報の優先順位をつけることをおすすめします。一言一句を詳細に考えるのではなく、どんな要素が必要か、単語や一言説明の状態で一度デザイナーに相談し、詳細の内容は一緒に考えながら詰めていくのもよいでしょう。
制作レビュー時のコミュニケーションのポイント
制作依頼時のコミュニケーションがうまくとれれば、その後の制作物の質も自然と高まるはずです。しかし、だからといってレビューがゼロになるとは限りません。形になって初めて分かることもたくさんあります。
協力してよりよい制作物にブラッシュアップしていくためにも、レビューは欠かせません。
しかし、
「クリエイティブをどのように確認すればよいのか」
「修正点をどのように伝えればよいのか」
悩むマーケターの方も多いのではないでしょうか。
制作レビュー時のコミュニケーションでは、これからご紹介する3つのポイントを押さえてみてください。

1. 顧客目線でレビューする
クリエイティブのレビューというと「自分はデザインセンスがないから何とも…」と遠慮してしまう人もいるかもしれません。しかし、マーケターのレビューはデザインセンスではなくマーケティング視点が求められるため、その点はご安心ください。
改めてマーケターに求められるレビュー観点は、「届ける相手である顧客(見込み顧客)にきちんと伝わるかどうか?」です。誰よりも顧客に向き合い、顧客を理解しているマーケターならではの観点で、レビューをしてみてください。
また、クリエイティブが形となって見えることで、元々想定していた情報の優先順位を変更した方がよいケースも出てきます。最初の設計に捉われず、顧客がこれを見たらどう思うか?どんな気持ちになるか?の観点で、じっくりレビューしましょう。
2. 具体的な修正指示ではなく、どのようにしたいか要望を伝える
クリエイティブのレビューでありがちなのが、具体的な修正指示を出してしまうことです。
「ここの文字を赤色にして〜」「この装飾もっと大きくできる?」など、こうしたら良さそう!と思った修正指示を直接伝えてはいないでしょうか?
このような具体的な修正内容を考えるのはデザイナーの役割です。マーケター側から具体の指示を出す前に、なぜそうした方がよいと思ったのかを考え、その根本の要望を伝えるようにしましょう。
例えば、文字を赤くしたいと思った場合、本当は目立たせたい部分だったから赤で強調したいと思ったのかもしれません。「目立たせたい」というのが要望であり、デザイナーに伝えるべき内容です。
目立たせるためには、赤色にする以外にも、文字サイズを大きくしたり余白を取ったりと、手段はいくらでもあります。具体的な見た目の修正方法は、伝えることのプロであるデザイナーにお任せし、どのように見せたいのか?の要望ベースでレビューしましょう。
また、レイアウトや文字サイズ、挿絵の配置場所など、細かなところまで、全てデザイナーが意図を持ってデザインしています。要望を伝えながらも、なぜこのデザインにしたのか意図も聞いてみると理解が深まるのでおすすめです
3. 違和感は言語化して伝える
最後のポイントは、制作物に違和感があった際には言語化を試みることです。
クリエイティブに対して、「なんか違うんだよな〜」「もっとシュッとしたいかも」など抽象的な表現で伝えてしまうケースがありますが、これではデザイナーもどのように修正すればよいのか分かりません。
具体的な修正指示を出す必要はないですが、抽象的すぎてもデザイナーを困惑させてしまいます。どこに違和感を感じるのか?なぜそう感じるのか?を、目的と照らし合わせて言語化してみましょう。
とはいえ、いきなり言語化するのは難しいと思うので、そんなときは2つ目のポイントの最後にもお伝えしたように、デザイナー本人にデザインのポイントを聞いてみることをおすすめします。
そのクリエイティブのデザインは制作目的をどのように表現しているのか、デザイナーに言語化してもらうことで、自身の違和感のきっかけも掴めるかもしれません。
まとめ
デザイナーと直接コミュニケーションする際のポイントをご紹介しました。
まず、前提となるデザイナーの役割は「届けるべき相手にわかりやすく伝えること」です。
それを踏まえて、制作依頼時と制作レビュー時には、それぞれの以下のポイントに気をつけてコミュニケーションをとってみてください。
<制作依頼時>
1. 制作の目的・背景を伝える
2. 完成イメージは言葉だけでなくビジュアルで共有する
3. 掲載情報は多くしすぎず、できるだけ厳選する
<制作レビュー時>
1. 顧客目線でレビューする
2. 具体的な修正指示ではなく、どのようにしたいか要望を伝える
3. 違和感は言語化して伝える
デザイナーは、良いクリエイティブを一緒に作り上げるパートナーです。彼らと密にコミュニケーションを取ることで、クリエイティブの質が向上し、より施策の効果も出やすくなります。
もし社内にデザイナーがおらず制作パートナーを探している場合はピクルスにお声がけください。Webサイトやランディングページ、インタラクティブ動画などWebマーケティングにまつわる制作のご依頼を承っています。
まずはご相談からで構いませんのでご興味のある方はお気軽にご相談ください。

ピクルス / マーケターのバディ
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