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ブログ「明日のマーケティングは、今日の発見から。」

PDCA回すのは古い?スピード重視の「Do!Do!Do!」

PDCA回すのは古い?スピード重視の「Do!Do!Do!」

Webマーケティングに限らず、デジタル領域での施策の効果を高めるのには「PDCAを行うことが最重要」という話を聞いたことがありませんか?

PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルを回すことでマーケティング施策などの効果を改善していくためのプロセスです。

計画(仮説)に基づいて実行し、それを計測した上で評価し、改善を行う。これが「成功の秘訣」という話です。

しかし、
理屈では理解しているんだけど、そんな時間もコストも無いんだよ
PDCAをやったんだけど、上手いこと回らず頓挫してしまったんだよ
というマーケターの皆様も多いのではないでしょうか?

もちろんPDCAを実施することによる効果は高いのは、教科書的に間違いはありません。
しかし、今回ご提案させていただきたいのが、マーケティングの実務を進める上で実は有効なのは「Do!Do!Do!」という事です。

それでは、なぜ多くの企業でPDCAを行うことが効果に繋がりにくいのか、またなぜ「Do!Do!Do!」がオススメなのかの理由を深堀りしていきたいと思います。

PDCAで効果が出ない理由

PDCAはマーケティングではある意味常識となっている考え方であり、多くのマーケターの皆様も社内でPDCAを回せと言われていることも多いのではないでしょうか。

しかし、PDCAを行っているがあまり効果につながっていないとなんとなく感じている方も多いかと思います。
実際ピクルスが関わらせている業務でもPDCAレポートを提出したがあまり実務につながらかったという経験も少なくありません。

なぜPDCAは効果につながらないのでしょうか。ここでPDCAが効果につながらない代表的な理由をご紹介します。

時間がかかる

まずPDCAを回すのに時間がかかるということです。PDCAを効果的に回すためにはそれぞれのフェーズをしっかり行う必要があります。

例えば、よくあるケースとしては以下があります。
Plan(計画)のタイミングでは「何を目的にするのか「どのような指標で効果を図るのかを明確に規定する」ことが大事とされています。

しかし、どのような指標が効果的なのかを検討するのに時間がかかってしまいいつまでの施策を実行出来ないということがあります。

また、Check(評価)の段階で各部署を渡って様々なデータを集めるのや結果の分析をするのに時間がかかってしまい、その間に市場が変化してしまっており分析の意味がなさなくなっているということもあります。

物事が高速に変化していく結果、将来の予測が困難で明日も不透明な今だからこその時代といわれており、スピード感持った対応が求められます。

PDCA自体が目的化してコスト的な負荷になっている

マーケティングの現場でまたよくあるのが、PDCAを実施すること自体が目的化してしまっていて、足をひっぱっているケースです。

例えば、企業によってはPDCAシートのテンプレートを用意している場合があります。
担当者の方はこのPDCAシートにデータを埋めることだけが業務の目的となってしまうケースなどです。

しかも、この入力作業自体は労力がそれなりにかかります。
労力をかけて、入力したことだけに満足し、本来ならば「改善」に回すべきリソースが消費され、報告MTGでも時間をかなり消費する…。
これでは本末転倒です。

PDCAが目的化してしまい、マーケティングの施策自体への意識が疎かになってまい、主従が逆転してしまうのは絶対に避けなければなりません。
あくまでもPDCAは施策の「改善」の為に存在します。このようなことを避けるためにも常に「成果」を生むための「施策の改善」が最重要という意識と、そのためのリソースの確保が重要です。

今決定されようとしている「PDCA」のプランは、もしかしたら今はそのタイミングではなかったり、そもそもその施策には必要なかったりするかもしれないのです。

結局活用しない

最悪のケースはPDCAを回しても結局活用しないというケースです。
恥ずかしながらピクルスでも経験があります。

そもそもPDCAを回す事は決定していたが、改善する為のリソースを確保してなかったりが一番のあるあるですが「将来の為」のPDCAは結構「忘れられた遺物」になりがちです。

例えば、次回の改善点の検討結果が次の施策の検討を行う時には忘れられてしまったり、全く別の方向性から施策を検討し始めてしまったり、担当者が変わってしまったりと、様々な理由で「遺物化」します。
その結果、同じような施策を何度も行い、同じ様な失敗を繰り返すなんてことも当然出てきます。

時間をかけてPDCAを行っても活用されない、改善の為のリソースが確保されないのであれば、PDCAのための時間を施策の実施に回したほうが良いはずです。

PDCAが効果的でない理由をご紹介しましたが、PDCAはもちろん間違っているわけではありません。例えば、大企業やマーケのチームの人が多い場合は効率的に行えるため、効果を発揮します。

しかし、中小企業やマーケチームが少人数の場合は、ご紹介したようなケースにつながる場合が多いのです。
つまり、PDCAには適切な施策のサイズや、人員リソースが存在するということです。
そこで今回オススメしたいのが「Do!Do!Do!」です。

PDCAの代わりにおすすめなのが「Do!Do!Do!」

「Do!Do!Do!」とは、言葉の通りに企画検討や施策の評価に時間をかけるのではなく、施策を間髪をいれずに実施するプロセスです。なぜ「Do!Do!Do!」がおすすめなのかには大きく2つの理由があります。

実行することの重要性
スピード感を持ちながらトライ&エラー

それでは、それぞれのポイントについて詳しく紹介していきます。

実行することの重要性

Webマーケティングの施策を検討する上で、企画に時間をかけすぎても結局は机上の空論です。
そのため、いくら考えたとしてもユーザーがどのように行動するのかは実際にやってみなければわからない面が多々あります。

なので最低限のプランニングができたら、すぐに施策を実施してしまうというのもおすすめです。
施策を実行することでプランニングではわかりきらない面がすぐに明確になります。

スピード感を持ちながらトライ&エラー

「Do!Do!Do!」では施策をスピード感をもって小さな施策を複数実行をしていきます。
そのため、市場が変化する前に同じ仮説の元で複数の施策を実行することで賞味期限切れになる前に色々試せるというメリットがあります。

もちろんすべての施策がうまくいくわけではありません。しかし、大きな投資ではなく小さな施策を連続して行うことで、コスト負担なく、市場の反応を見ながらトライ&エラーを繰り返しながら改善をしていく事が可能です。

その際に、最小限の「評価」はもちろん必要で、それには運用が楽なツールの導入も重要なポイントとなっています。

※弊社キャンペーンツール「キャンつく」でもレポート作成や集計の手間を省くレポート機能がありスピード速く結果が確認できるようになってます。

近年プログラム開発での主流となってきているアジャイル開発と同様なスキームでマーケティング施策の検討を行っていくという考え方が、イメージとしては近いかもしれません。

このように短いサイクルでトライ&エラーを繰り返すことで成果をあげていくことが「Do!Do!Do!」のメリットです。

「Do!Do!Do!」を行っていくときのプロセスの紹介

それでは具体的に「Do!Do!Do!」を行うためのプロセスをご紹介します。
ピクルスでは自社のマーケティング活動でも、Webマーケティング支援でも基本的にはこちらのやりかたで進めさせていただいてます。
この方法に切り替えて劇的に成果が上がった実績がありますので、是非活用してください。

STEP 1:課題の精査

全体の見直しで課題や問題点を精査。
ブランド戦略や商品コミュニケーション戦略の現状を精査し、どのような課題があるのか、どのような問題点があるのかを洗い出します。

この際無理に一つの課題に絞り込まず、大小問わずにブランドとして、商品としていま売上が上がらない原因はなにかという問題点をリストアップします。

これに関しては時間をかけたり、必ずしもチームメンバーや担当者が行う必要はありません。
外部リソースや、他部署の人で得意な人にお願いしてもOKです。
「早く」「得意な人がやる」のも「Do!Do!Do!」において重要ポイントです。

STEP 2:小さな打ち手を多く出す

リストアップした課題や問題点から、施策の打ち手を多数出します。
STEP 1で整理して抽出された課題や問題点をベースに打ち手(対策)を考えます。
この際、それぞれの課題に対応した小さな打ち手をたくさん出します。

大きな打ち手以上の効果を、小さな打ち手の組み合わせが実現することもありますし、大きな打ち手も、それ単独ではポテンシャルを十分に発揮しない事はよくあります。

また大きな打ち手も、小さな打ち手に分割してしまい、フェーズ毎に進めていく形とします。

STEP 3:できるものから実行

即実行が可能なものから実行する。
リストアップした小さな打ち手の中から実行がすぐ手をつけられるのかの優劣をつけましょう。優劣をつけたら、即実行可能なものから施策を実行していきます。

この際に重要なのは「即実行可能か?(工数)」「効果はどれくらいか?」の2軸で最低限判断することです。理想は工数が少なく効果が高いものですが、効果が中くらいでも、工数が著しく低いものは「効果が高いが、工数も多い」ものより重要です。

施策を実行したら個別の成果を必要以上に詳細には確認せずに、次々と実行可能な施策を継続して実行していきます。

STEP 4:成果を確認してSTEP1へ戻る

一定期間が経過したら、総合的な成果を確認。
ピクルスの場合は3〜6ヶ月毎に確認してます。

成果を確認するのは各打ち手の成果(KPI)ではなく、全体の成果(KGI)をベースに確認します。例えば、リード獲得数や成約率などビジネス全体の目標だけを計測するようにします。
この成果(KGI)上がってないようであれば、このKGIを元に再度STEP1の課題を精査を繰り返していく形です。

ここで重要なのはSTEP1での指標になるKGI確認だけで良いということです。
各打ち手のKPIは確認しないようにしてください。
STEP1で総合的な課題を再度するので、そこで必要であればKPIを確認する形とします。

このKPI設定(及び確認)というのは、良い面もあれば悪い面もあり、悪いところで言うと各施策のKPIのみを重要視してしまい、施策の精度を上げることのみに注力してしまうことが上げられます。

マーケティングにおいては、それぞれの施策が複雑に影響しあうので、個別の改善が全体に対して大きく影響を及ぼすかどうかは、推論を元にするしかありません。
なのでKPIに囚われてしまうとそれ以外の大きな改善などができない思考へとなってしまい、この打ち手を捨てることができない状況になってしまったりします。

ポイント

この記事を読むまでは、PDCAは絶対にしなければいけないものだと思ってらっしゃった方も多いと思います。

もちろんPDCAは効果的であり、大企業であったり、マーケティングのチーム員が多い場合は有効です。しかし、マーケティングチームの人員が限られている企業では効果につながらない場合があります。

繰り返しますが、その代表的な理由は、
時間がかかる点
PDCAが目的化してしまう
PDCAを回すこと自体にリソースが必要
リソースが足りなくなり改善が出来ない
PDCAをしたが結局活用されない
などです。

中小企業のマーケティング担当者には、PDCAを実行するよりもDo!Do!Do!をオススメします。
Do!Do!Do!は、スピード感を持ってTry&Errorを行うことが出来ます。

さて、ピクルスではいままでの業務の中でDo!Do!Do!で様々なマーケティング施策を行ってきており成果をだしてきています。
また上流の課題の抽出から小さな打ち手を考えるためのノウハウも蓄積しております。

もし、現在PDCAを取り入れたマーケティング施策があまり成果につながらないという方。「Do!Do!Do!」を始めてみたいという方、ぜひ一度相談ください。
併走して課題解決までお付き合いいたします。

タグ: 組織開発