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ブログ「明日のマーケティングは、今日の発見から。」

Z世代向けマーケティングを成功させるために。定義や特徴、手法を押さえよう

Z世代向けマーケティングを成功させるために。定義や特徴、手法を押さえよう

「タグる」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。Instagramで検索して調べることを、指します。

1990年代半ば~2000年代終わりに生まれた「Z世代」は、インターネットを使った情報収集に優れ、とくにSNSを多用する特性があるといいます。

人によって差はあるかと思いますが、「タグる」文化に馴染みのない人のほうが多いかもしれません。「ググる」方が便利だと思うのは、筆者だけではないでしょう。

私たちマーケターは、「Z世代」特有の文化を知り、マーケティングのやり方も変えていかなければなりません。

そこでこの記事では、「Z世代」を深掘りし彼らへのマーケティングで成功するための手法をまとめました。皆様のSNSマーケティングにぜひご活用いただければ幸いです。

果たして「Z世代」は、今どこで、何をしているのでしょうか。

今さら聞けない「Z世代」とは

まずは「Z世代」がどんな人々なのか、特徴を整理してみます。

<Z世代とは>

  • 1990年代半ば~2000年代終わりに生まれた世代(※)
  • 生まれた時点でインターネットが利用可能で「真のデジタルネイティブ」とも呼ばれる
  • SNSの利用も活発。「ソーシャルネイティブ」と呼ばれる
  • デジタル慣れが一周回って、アナログなものを目新しく感じることがある

(※)年齢の定義はメディアによってズレがあるかと思います。きちんとした定義がないので、曖昧なのが正です。ここでは、1990年代半ば~2000年代終わりに生まれた世代とします。

真のデジタルネイティブと呼ばれる「Z世代」は、インターネットを使って、日々たくさんの情報を集めています。

そんな彼らの情報収集を支えているのがSNSです。用途に合わせてSNSを使い分け、情報を取捨選択しています。

信頼できる人をSNSでフォローし、裏をとらなくて良い情報源とすることで、素早い情報収集を実現しているのです。

主要なSNSの使い分け例をあげてみましょう。

  • Twitter:速報を調べる。趣味など特定分野での交流に用いる
  • Instagram:オフライン寄りの交流に用いる。近況報告&自己表現のSNS
  • YouTube:見たい動画を探す。暇つぶしにも、学習教材としても
  • TikTok:トレンドを探すSNS。自己承認としてのツールにも
  • Facebook:自分の近況を広く公開するために用いる。ビジネス寄り
  • LINE:コミュニケーション、近況報告などに用いる

上記のように、多様なSNSをつかって情報収集することを「かじる」と呼ぶこともあります。友人との情報収集スピードに遅れないように、映画を1.5倍速で見る人もいるそうです。

「タグる」は効率的かもしれない

こういった背景を知ると「Z世代」が、欲しい商品をSNSで「タグって」調べるのは、理にかなっていると分かります。

公式SNSアカウントを見れば基本情報がわかる、日頃の情報発信の内容もわかる、フォロワーとの交流の様子からお店の人柄もわかる、顧客の正直なレビューも見れます。確かに便利です。

総務省統計局が発表した2021年1月時点の人口推計をみると「Z世代」にあたる10~24歳の人口は1,737万人。日本の人口の約14%を占めます。

今はまだ可処分所得が少ない中高生も含まれますが、あと数年もすれば全員が立派な大人です。高額商品も購入できるようになり、BtoBビジネスでもターゲットになります。

「Z世代」が重視していることを知りながら、マーケティングもそれに合わせていきましょう。

Z世代は何を重視している?

「電通若者研究部」が行った調査では「Z世代」は次の3つの特徴があるとまとめました。
参考:Z世代インサイトから生まれる、新しいマーケティング発想

  • 常識に反するとも、思想を持つ
  • 地球/環境視点を持つ
  • 嘘をつかず透明性がある

上記3点のポイントは、昨今のマーケティングにも取り入れられています。

特徴的なのは「常識に反するとも、思想を持つ」ことでしょう。表現をかえれば「多様性を尊重すること」であり「自分らしさを大切にすること」と言えます。

インターネット・SNSを使えば世界中の価値観にアクセスできるため、社会の多様性を、当たり前に受け入れているのです。

たとえば、見た目にとらわれない自分らしさを発信する、タレント「渡辺直美」氏。性別にとらわれず、好きな服をきると発信する、19歳のシンガーソングライター「ビリー・アイリッシュ」氏。

彼女らのような超ビッグな存在だけでなく、InstagramやYouTubeなどのインフルエンサーが、それぞれに「自分らしさ」を発信し「Z世代」もその影響を色濃く受けていると言われています。

「地球/環境視点を持つ」ことも、着目したいポイントです。SDGsに配慮した商品も増えましたし、それを買うユーザーが増えてきました。

環境に配慮することを、かっこいいと思う価値観も少しずつ広まっています。株式会社電通が行った調査では、10代のSDGs認知度は70%にも及ぶそうで、今後もこの傾向は強まりそうです。
参考:第3回「SDGsに関する生活者調査」を実施

「嘘をつかず透明性がある」こともマーケティングに活用されています。デメリットを正直に話したうえで、それでも買いたいと思えるような、透明性のある情報発信をする企業SNSも増えてきました。

最近では「ドン・キホーテ」の正直なツイートが話題を呼びました。

リプライを見ると「正直で良い!!!」「ドンキに行けば全て揃うと言うのがいいのです」「でも本当助かる!!」など好意的な書き込みが多く、透明性によって顧客と距離を縮めています。

「Z世代マーケティング」で成功する手法

上記のポイントをもとに。「Z世代」に有効に働くマーケティングを整理しました。

Z世代に有効に働くマーケティング

「Z世代」はインターネット上の様々なプラットフォームから、情報を集めます。とくにSNSは有効に活用したいですね。

その際は、あえてデメリットも見せながら、商品開発のストーリーとともに共感を誘いましょう。インフルエンサーを起用することも有効です。

ユーザーがSNSに投稿するように促すマーケティングも効果的に働きます。これについては、後で事例をそえてご紹介します。

商品にもよりますが、環境への配慮ができれば、それに惹きつけられるユーザーもいるでしょう。

注意したいのは「Z世代」の価値観が多様であることです。既成概念にとらわれない商品作り、マーケティングを意識してみましょう。「常識に反するとも、思想を持つ」世代ですから、こちらの価値観を押しつけるようなマーケティングは、受け入れてもらえない可能性もあります。

より理解を深めるため、具体的な事例をみてみましょう。

「20年ぶりの再燃」SNSを活用したZ世代へのマーケティング事例

1998年に販売開始した、富士フイルムのポラロイドカメラ「instax(愛称:チェキ)」が、現代になって再燃しています。

久々に名前を聞いたついでに、チェキがどんな売れ方をしていたか、まとめてみました。

1998年に販売開始。2002年に約100万台売れた人気商品になりました。しかし2003年には勢いを失い、2005年の販売数は約10万台に落ち込みます。

ところが、2007年、韓国ドラマ「恋の一撃 ハイキック」にチェキが登場すると、また販売数が増えはじめます。それから順調に販売数を伸ばし、まさにV字回復のグラフを描きながら、2018年には約1,000万台も売れたのです。

このV字回復は、韓国ドラマの影響だけではありません。

スマホのカメラにはない「フィルム」という上限がもたらす、1枚1枚の特別感。決して小さくないゴツゴツした筐体。感光し淡く色づいていく写真、コピーのできないアナログ感。撮影に失敗しても、それも1つの独自性と思わせる、便利すぎないカメラの性能。

これらが「今を切り取りたい」と思う「Z世代」を刺激し、強く惹かれるのでしょう。

チェキを販売する富士フイルムは、この傾向を素早く掴みます。色とりどりのラインナップをそろえ、自撮りモード(接写モード)をつけ、シャッターボタンを”自分らしく”カスタマイズできるように。

チェキ公式サイトも「ジブン、見せつけてやれ」と、独自性を尊重するような構成になりました。
参考:“チェキ” instax mini 40 | FUJIFILM

公式Instagramでは「チェキを持っている人」の写真も多く投稿されています。「ポラロイドカメラを使っている独自性」を暗に提案して「Z世代」をうまく引きつけます。

Instagramでハッシュタグ「#チェキ」と調べてみると2021年11月時点で31万件も投稿があり、その多くが、チェキから出てきたインスタント写真を、スマホで撮影して投稿しています。

チェキを使った独自性のあるポラロイド写真を、ユーザーがどんどん投稿し、しかも商品名のハッシュタグをつけて宣伝してくれているのです。SNSマーケティングとしては大成功と言えます。

チェキを持っているという「独自性」と、Z世代に根付いた「SNS」をうまく活用した事例でした。

さて、ここまで「Z世代」について語ってきました。

Z、Z、Z、、、となんども聞いていると「Zがあれば、XもYもあるんだろう」と勘ぐってしまいます。まさにその通りで、X世代もY世代もあるんです。

X、Y、Zは特別

実は、X世代・Y世代もあります。よい機会ですから、X世代・Y世代についても軽くご紹介しましょう。

  • X世代:1960年代半ば~1970年代終わり
  • Y世代:1980年代始め~1990年代半ば
  • Z世代:1990年代半ば~2000年代終わり

これから、各世代の特徴について説明しますが、困ったことに、X世代・Y世代の定義はものすごく曖昧です。日本におけるX世代・Y世代の正確な定義は、ないといっても良いでしょう。

なにせ、もともとアメリカ合衆国で作られた定義なので「アメリカにおいての生まれた年」が基準になっています。アメリカと日本では、同じ西暦でも、時代背景や経済状況が異なりますから、ズレてしまうのです。そのため、日本におけるX世代・Y世代の定義が曖昧になっているのです。ここでは説明のため、頻繁に言及されているメジャーな定義をもとにして説明いたします。

X世代は1960年代半ば~1970年代終わりの生まれた世代。日本において「団塊世代ジュニア」と呼ばれる世代がそれに近いでしょう。バブル期と崩壊のどちらも経験し、就職難にも直面しながら力強く生きてきた世代です。その影響からか、効率やコストパフォーマンスを重視するようです。

Y世代は1980年代始め~1990年代半ばに生まれた世代。「ミレニアル世代」とも呼ばれます。2021年に25歳から40歳くらいの人ですね。青年期にITの技術革新を経験したことから、デジタルネイティブと呼ばれることもあります。生まれたときから消費社会だった反動からか、モノよりコトを重視するようです。「モノより思い出」なんてキャッチコピーのCMもありましたね。

そして「Z世代」。1990年代半ば~2000年代終わりに生まれた世代。生まれたときからインターネット・SNSがある「真のデジタルネイティブ」です。溢れんばかりの情報をSNSを使って取捨選択し、強い独自性をもつ世代です。

でも「W世代」ありません。

もっといえばA、B、C~Wまで全部ありません。X・Y・Zだけ特別なのです。なぜでしょうか。実は、そんなに格好がいい理由はありません。

X・Y・Zのうち、一番最初にマーケティング用語として定義されたのが「X世代」です。アメリカで販売された小説「ジェネレーションX~加速された文化のための物語たち」に由来するそうです。それに続く形でY世代・Z世代という言葉も作られるようになりました。

どこにいるんだZ世代

X・Y・Z世代の語源をたどると、その定義が意外と曖昧だったことに気がつきます。

「○○世代」という言葉は、新しい価値観をもったユーザーをまとめて総称するのに便利な言葉ですが、あくまで「総称」です。

自社のメインユーザーが「Z世代」にあたる年齢層だとしても、実際に購入しているユーザーが「タグる」かどうかは分かりません。

多様性を尊重する「Z世代」ですから、かっこいいと思うモノも、それぞれ違うはずです。「Z世代」という言葉からは、今の若者に独自性があることが分かりますが、じゃあどんな独自性があるのかといえば、やっぱり分かりません。

「Z世代」という傾向を見ることも大切ですが、今までどおり、一人ひとりのお客様を見ることも大切ですね。森も見るし、木も見ていたいものですね。

冒頭で「Z世代はどこにいる」と問いました。それぞれが独自の価値観をもち、SNSのアカウントごとに顔を変える「Z世代」は、どこにでもいるし、どこにでもいない存在なのかもしれません。

まとめ

「Z世代」について解説しながら、有効なマーケティング手法をまとめました。

彼らの価値観は多様で、一概に「これが有効」とは言えませんが、成功する事例には以下のような共通点が見受けられます。

  • インターネット・SNSを使う
  • 良くも悪くもを見せ、透明性を出す
  • ストーリー性のある情報を発信する
  • インフルエンサーの活用
  • ユーザーのSNS投稿を促す
  • 環境問題への配慮

とはいえ「Z世代」のなかには、SNSを使わない人もいます。総称・傾向にとらわれず、今までどおり、お客様一人ひとりに向き合ったマーケティングを行うのが肝要かと思います。

SNSは、ユーザーと一対一で会話できるツールです。そして、ユーザーもそれを望んでいるのではないでしょうか。SNS広告だけでなく、顧客とのコミュニケーションも楽しみたいですね。

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