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ブログ「明日のマーケティングは、今日の発見から。」

4P(マーケティングミックス)とは?4Cとの違いや手順、具体例をわかりやすく解説

4P(マーケティングミックス)とは?4Cとの違いや手順、具体例をわかりやすく解説

マーケティング活動で欠かせないのが4P(マーケティングミックス)というフレームワークです。しかしながら、4Pをうまく活用できている方は少ないのではないでしょうか。本記事では4Pについて成功事例を交えながら4つの手順を解説します

4P(マーケティングミックス)は、市場・ターゲットに適した商品・サービスを提供するために、欠かせないマーケティング分析手法の一つです。比較的古いフレームワークではあるものの、きちんと設計できればマーケティング活動を実施するうえで絶大な効果を発揮します。

しかしマーケティングの業務を担当されている方の中には、

「そもそも4Pについて詳しく知らない」
「聞いたことはあるけど使ったことがないからあまりイメージが湧かない」

という方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、4Pの基礎知識や具体例を交えた手順、成功するための秘訣を解説します。

4P(マーケティングミックス)とは

4Pとは、以下の要素の頭文字を取って名付けられたマーケティングの分析手法です。別称でマーケティングミックス(実行戦略)とも呼ばれます。

4P

マーケティング戦略において4Pは欠かせない分析手法です。3CやSTP分析がうまくいっても、4Pで方向性の軸がブレればその戦略は成功しないでしょう。

たとえば自社が狙うターゲットは60代以上の高齢者なのに対し、InstagramやTwitterなどのSNSを使って、商品(例:健康器具)のプロモーションを行うようなイメージです。高齢者のSNS利用者が全体的に増えてきたとはいえ、若者に比べるとまだまだ少ないのが現状です。

その点を考えるとより大きな集客効果を狙うなら、「SNSを使うのではなく紙媒体(チラシや新聞広告)で認知を獲得して、オフラインの店舗で商品を流通させた方が良いのではないか」と判断できます。あるいは、通販番組やTVCMなどでアプローチを行い、通販で流通させるのも最適な手段の一つと言えるでしょう。

このようにリサーチして狙いを決めた市場・ターゲットに対して、どのようにマーケティング戦略を実行するのか決める役割を担うのが4Pです。

4Pと4Cの違い

4Pに似た言葉(手法)で、4Cと呼ばれるマーケティングの分析手法があります。4Cは4Pと同様に、以下の頭文字を取って名付けられています。

4C

4Pと4Cの大きく異なるポイントは、視点にあります。

4P:売り手(企業側)の視点で4つの意識決定を行うマーケティング戦略
4C:買い手(顧客側)の視点で4つの意識決定を行うマーケティング戦略

4Pと4C

つまり、「〇〇ような商品を作れば売れる」と決める4Pに対し、「商品が顧客にどのような価値をもたらすのか」を軸にして決めるのが4Cです。顧客ニーズが多様化する背景から、このようなマーケティングの分析手法が誕生しました。

それぞれの手法の内容は明確に異なりますが、重要なのはどちらかの手法に依存するのではなく、両者の視点から分析することです。4Cは4Pにはない「顧客視点」という弱点を補ってくれます。

当然ながら多くの視点を持てば、戦略の選択肢の幅が広がります。競合と差別化するためのアイディアも思い浮かぶでしょう。

自社で実行戦略を考える際は、4Pと4Cどちらも取り入れてみてください。

マーケティング戦略における4Pの立ち位置

マーケティング戦略は、「環境分析」→「市場分析」→「ターゲット分析」→「実行戦略」の流れが基本です。4Pは、マーケティング戦略のなかの「実行戦略」に該当します。

つまり、3C分析やSTP分析を実行した後に4Pを行います。ここで重要なのは、市場分析やターゲット分析よりも先に、4P(実行戦略)を実行しないことです。

市場のニーズやターゲットの情報が不明瞭な段階で、商品・サービスを考えていざ宣伝しても、誰からも求められないProductが完成してしまうからです。誰に対してPromotionを仕掛けるか決まっていないので、認知の獲得・集客も失敗する可能性が高いでしょう。

先に作りたい商品・サービスからマーケティング戦略を考えてしまうのはよくありがちですが、それではマーケティングは成功しません。しっかり市場全体の動きや顧客ニーズを分析してから、4Pを実行するようにしましょう。

4Pの前段階である「市場分析」や「STP分析」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をぜひご覧ください。

4Pの手順4つと具体例

4Pの手順を具体例を交えて解説します。

今回は「フリマアプリ」を例にしてみました。

1. Product(商品・サービス設計)

一つ目の手順は、ターゲットに対して提供する商品・サービスを決めるProduct(商品・サービス設計)から始まります。今回はフリマアプリを例にしているので、ターゲットに提供する商品・サービスはフリマアプリそのものです。

加えて以下の観点からさらに分析を行います。

 ・差別化ポイント
 ・メリット
 ・デザイン
 ・ブランドイメージ
 ・コンセプト

たとえば、フリマアプリ市場のなかでビジネス領域をターゲティングしているのであれば、差別化ポイントは「ビジネスに関連する商品(ブランドスーツやビジネス用の時計)を豊富に扱っている」などと考えることができるでしょう。

このときのメリットは、「一流のビジネスパーソンが身につけるグッズを手軽に手に入れられる」「不要なビジネス用品をリサイクルショップよりも高く売れる」のように設計できます。うまくフリマアプリの認知や利用者の拡大に繋げられれば、最終的に「ビジネス用品を手に入れる(売る)なら〇〇が便利だよね」とブランドイメージを浸透させることもできるでしょう。

2. Price(価格設計)

続いてはPrice(価格設計)です。

フリマアプリの場合であれば、アプリのダウンロード料金や商品を取引する際の販売手数料が該当します。ただしほとんどのフリマアプリは無料でダウンロードできるので、販売手数料だけでイメージしてもらうと分かりやすいはずです。

フリマアプリの販売手数料の相場は、3〜10%前後です。普通のフリマアプリをリリースするのであれば、そのぐらいの価格設計をするのが基本でしょう。

しかし今回のビジネス領域に特化したフリマアプリの場合は、一般的なフリマアプリよりも手数料を安くしてみるのも良いかもしれません。時計やブランドスーツなどは販売価格が高く、手数料を下げても最終的な利益は大きくなると判断できるからです。

手順1のProductに適したPriceを決めましょう。

3. Place(流通経路)

ProductとPriceを決めたら、Place(流通経路)を決めます。

つまり「商品・サービスをどこで流通させるか」です。今回はアプリサービスで例えているので、AppleやAndroidなどのアプリストアがPlaceに該当します。

アプリサービスであれば必然と選択肢が絞られますが、ほかのビジネスであればPlaceは非常に重要です。たとえば店舗型のビジネスであれば、立地や人通り、ブランドイメージなどさまざまな要素が絡んできます。

もし低価格帯のサービスを提供するのであれば、入りづらい印象を与えるため高価格帯のサービスが集まる商業用ビルは避けるべきと判断できるでしょう。コストを抑えて雑居ビルに出店するほうが大きな効果を見込める可能性があります。

マーケティングを成功させるには、さまざまな要素を考慮してPlaceを決めなければいけません。適当に決めるのではなく、市場やターゲットを細かく分析してPlaceを決めましょう。

4. Promotion(販促活動)

最後に決めるのは、Promotion(販促活動)です。

ターゲットに適した広告戦略を考えます。ビジネス領域のフリマアプリであれば、ビジネスパーソンが多く利用しているFacebookへの広告出稿が適していると言えるでしょう。あるいはビジネス領域に特化したニュース系のサイト・アプリに広告を掲載するのも一つの選択肢です。

一方で、チラシなどの紙媒体によるPromotionは避けた方がいいと言えます。フリマアプリは無形商材なので、チラシに費用をかけるぐらいなら地域関係なくアプローチできるインターネット広告やSNS広告に投資するべきと判断できるからです。

4Pを成功させるための秘訣

4Pを成功させるには、一貫性を持つことが何よりも重要です。

たとえば、Productの段階で高級路線と決めたのにもかかわらず、価格を安く設定したり、カジュアルな広告バナーで宣伝したりすると一貫性がある4Pとはいえません。高価格帯の商品・サービスを販売すると決めたのであれば、それに適した戦略を決める必要があるでしょう。

高級ブランドのルイヴィトンやカルティエの戦略から分かるとおり、店舗(Place)は都心部に固まっており、出店場所も高級デパートや百貨店が中心です。これがコンビニのようにどこにでもあるような存在になれば、一気にブランドイメージは崩れ去り希少価値が落ちてしまうでしょう。

そのため、4Pを考える際はシビアにならなくてはいけないのです。「矛盾している点はないか」「一貫した戦略を構築できているか」に注意しましょう。

まとめ

本記事では、4P(マーケティングミックス)の手順や具体例、成功するための秘訣について解説しました。

4Pは、「Product(プロダクト)」「Price(プライス)」「Place(プレイス)」「Promotion(プロモーション)」のそれぞれの頭文字を取って名付けられたマーケティングの分析手法です。市場やターゲットに適した商品・サービスを提供するために、欠かせない分析手法と言えるでしょう。

4Pを実施する際に重要なのは、矛盾点が生まれないようにすることです。それぞれの要素に一貫性を持たせるようにしましょう。

ぜひ本記事で解説した内容をもとに、自社の取り組みの参考にしてみてください。

4Pより前段階の顧客ニーズやターゲットが不明瞭の場合は、市場分析やSTP分析から始めてみましょう。以下の記事も参考にしてみてください。