menu

ブログ「明日のマーケティングは、今日の発見から。」

位置情報マーケティングとは? 今注目を集めている理由や活用事例を解説!

位置情報マーケティングとは? 今注目を集めている理由や活用事例を解説!

スマホやタブレットの位置情報は顧客理解に役立つ情報の一つです。店舗周辺に顧客が集中する店舗ビジネスでは、顧客の位置情報や過去行動データを活用したマーケティングが注目を集めています。本記事では位置情報マーケティングの手法や事例を解説します。

普段、スマートフォンを持ち歩いていると、

「位置情報をオンにしますか?」
「位置情報を共有しますか?」

といった表示がでることがあると思います。

位置情報を有効にすると、近くの店舗を検索できたりお得なお買い物情報が届くようになり便利です。

企業側目線でも有効にしてくれたほうが、位置情報に応じた情報をユーザーに届けられるだけでなく、履歴として残った位置情報データを活用して関心の高いユーザーに広告を配信するなども可能です。

このようにスマートフォン等から位置情報を取得しマーケティングに活かす手法、いわゆる「位置情報マーケティング」が注目を集めています。

本記事では、位置情報マーケティングの基本や注目を集めている背景、活用事例を解説します。実店舗の集客を担当されているマーケター必見の内容ですのでぜひ最後までお読みください!

位置情報とは

そもそも、位置情報という技術について詳しく知らないまま日常的に使用している方も多いかと思いますので、改めて確認しておきましょう。

位置情報はGPS、通信基地局、Wi-Fiスポットに接続している、またはビーコンと連動しているモバイル端末から取得できます。

位置情報を取得する設備や技術

これらの設備や技術によって、日々多くのモバイル端末の位置情報(=所有者の位置情報)が記録されています。この位置情報は道路の交通量や店舗の混雑状況などのデータとしても活用されており、クルマを運転される方であれば「渋滞を回避できて助かった!」というポジティブな経験がある方も多いのではないでしょうか。

近年では、新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環で、新型コロナウイルスの陽性者と接触した可能性がある人を明確にし、検査の受診など保健所のサポートに役立ててもらうために位置情報が活用されています。

位置情報マーケティングとは?

位置情報を活用して、店舗の集客に活かすことを位置情報マーケティングと言います。

例えば、ファミレスやカラオケ店などの公式アプリをインストールしておくと、アプリで現在の位置情報から近い店舗をすぐに検索できる機能がついていることがあるはずです。

こうした機能によってユーザーの利便性を高めて店舗への集客に繋げています。

企業としてもアプリで位置情報データを取得することで、店舗ごとの顧客属性を分析して新商品の開発に活かしたり、広告のターゲティングに活かしたりと、その他の施策に繋げることができます。

このように位置情報を活用したマーケティングが、だんだん浸透してきています。

位置情報マーケティング

位置情報マーケティングが注目されている理由

位置情報マーケティングが注目を集めるようになった理由は、大きく2つあります。

まず一つは、近年の新型コロナウイルスによる人の流れの可視化です。

そもそも、位置情報の技術自体はそれほど新しいモノではありません。クルマに乗る方であればカーナビでGPSを使用しているはずですし、スマートフォンをお持ちの方であれば地図アプリを一度は活用したことのある方が大半ではないでしょうか。

このように位置情報の技術自体が革新的なのではなく、「位置情報を活用する」ということ自体に注目が集まっています。そのキッカケが、新型コロナウイルスです。

新型コロナウイルスを広めないためには、人の流れを可視化して集中しないようにする工夫が必要でした。また、同じ理由で濃厚接触者の把握も重要なポイントでした。

そこで活用されたのが位置情報です。過去の履歴も含めた位置情報データを取得することで人が物理的に集中することを抑制し、濃厚接触者の把握などの対策を進めました。

そして、もう一つは、モバイル端末の普及と、それに伴う位置情報取得設備の充実です。

スマートフォンやタブレットといったモバイル端末が広く普及したことで、位置情報を取得可能な人の数が増えました。

それに伴って、Wi-Fiスポットの増設や各キャリアが通信基地局を充実させるといった位置情報を取得するために必要な設備も強化されました。

位置情報を取得可能な人の数が増え、設備も充実したことで、実店舗におけるユーザーの行動データや、実店舗に近いエリアにいるユーザーだけにアプローチをするといった手法が可能になったのです。

位置情報を活用したマーケティングの手法

この章では、位置情報を活用したマーケティングの主な手法を4つご紹介します。

手法1. 実店舗への集客活動における効果測定

1つ目は、実店舗への集客活動における効果測定に活かすという方法です。

実店舗への集客方法としては

・テレビやラジオ、新聞・雑誌といったマス広告を活用する
・店舗の近くに看板を設置する
・電車の中吊り広告や電信柱などに露出する

などがあるかと思いますが、売上が上がらなかった際に集客方法に問題があったのか、その他の要因があったのかを判断するのが大変です。位置情報を活用すると、こうした実店舗への集客活動を行ったときの効果を測定できるようになります。

例えば、売上は上がらなかったものの店舗への来客は促せているのであれば、集客手法自体に問題は無く、広告の打ち出し方や店舗側のキャンペーンや売り場設計がダメだったのかもしれないといった具体的な振り返りが可能になります。

売上げが上がらなかった際の具体的な振り返りが可能に!

手法2. リアルタイム通知

2つ目の手法は、リアルタイム通知です。

ファミレスやカラオケ店、ドラッグストアなどでは、従来のポイントカードの代わりに公式アプリを活用しているケースが増えています。

こうしたアプリでは、店舗側が設定したエリア内を訪れたタイミングでユーザーにプッシュ通知を送る機能をつけることができます。

ユーザーが近くを通りかかったタイミングでお得なクーポン情報などを届けることができるので、利便性が高く効果的です。

店舗側が指定したエリア内を訪れたタイミングでユーザーにプッシュ通知を送ることができる!

手法3. ジオターゲティング広告

3つ目の手法は、ジオターゲティング広告です。

ジオターゲティング広告とは、ユーザーの過去の位置情報を分析し、そのユーザーに最適な広告を配信する手法です。位置情報を使ってユーザーの行動履歴を取得すれば、よく訪れている場所や行動パターンなどからユーザーの嗜好や趣味を分析することが可能です。

例えば、ペット用品の広告を出したいという場合には「直近1ヵ月以内に○○市にあるペットショップを訪れた人」など特定の期間、エリアから絞り込んで配信することで、ペットの購入を検討しているユーザーやペットが好きなユーザーに認知を拡大することができます。

このように位置情報をもとに広告を配信することで、成約率の向上や商品・サービスの認知拡大を進められるのがジオターゲティング広告です。

ユーザーの位置情報を分析し、ユーザーに最適な広告を配信できる!

手法4. 位置情報×SNS

4つ目の手法は、位置情報をSNSで活用する手法です。

TwitterのツイートやInstagramの投稿には位置情報を追加することができます。また、Facebookのチェックイン機能も位置情報を示すことができます。

特にInstagramでは、訪れた名所やお洒落な飲食店をアップする際に位置情報を付けたり、ハッシュタグで場所を伝えたりするユーザーが多いです。

同様に店舗の公式アカウントで発信をする際に位置情報を追加しておけば、投稿を見たユーザーが店舗の場所を知る機会に繋がります。

位置情報のデータとは異なりますが、Instagramで特定のエリアからお店や旅行先を探すときに「ハッシュタグ+地名」などで調べるユーザーは増えています。公式の投稿に検索数が多く場所が分かるハッシュタグを付けておけば店舗の認知拡大に繋がります。

SNS広告を配信する場合にも、手法4で紹介したジオターゲティング広告ができますので、位置情報×SNSのマーケティング施策は効果的です。

位置情報を追加しておけば、投稿を見た人が店舗の場所を知る機会に繋がる!

位置情報マーケティングの事例紹介

最後に、位置情報を活用したマーケティング施策の事例を2つご紹介します。

事例1. ワコール

ワコール

ワコールでは、位置情報をもとにした広告の配信を行いました。

具体的には、ワコールの商品が取り上げられているWebサイトに訪問したユーザーかつ、ワコールの商品を取り扱っている商業施設周辺を訪れているユーザーに広告を出しています。

この手法で広告を配信した結果、店舗の購買者にとったアンケートでは、「Webを見てきた」と回答する方が増えたそうです。

既に商品に対する認知がある状態で、いかにWeb上から実店舗での購買に結びつけるかという課題を解決した事例です。

事例2. キリン

キリン

キリンでは、「キリン 午後の紅茶 WINTER MAGIC」という体験型のキャンペーンへの集客施策として位置情報を活用した広告を出稿しました。

体験ブースがある東京ミッドタウンの周辺に住んでいる方や過去に東京ミッドタウンに訪れた方に対して配信しており、過去の行動履歴から東京ミッドタウンに来る頻度や時間帯などに合わせてクリエイティブを分けるといった工夫もされていました。

この施策で得られたデータから、来訪者の行動エリアや遠方からの参加者が増える時間帯など今後のイベントや店舗でのペルソナ設定に有効なデータを取得できたそうです。

ジオターゲティング広告によって来場者が増えただけでなく、次の施策へと活かすデータの取得にも成功した事例です。

まとめ

近年では「データドリブン」という言葉を多くのメディアで目にする機会も増え、事業者がいかにデータを活用するかが重要だと言われています。

今回ご紹介した位置情報もデータの一種です。このデータを上手く活用することで集客効果に大きな差が出てきます。

実店舗での集客に頭を悩まされている方は、位置情報マーケティングを一度検討されてみてはいかがでしょうか。

また、データに基づいたマーケティングについてもっと知りたいという方は、「データドリブンマーケティング」について解説しておりますので、こちらをご覧ください。