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ブログ「明日のマーケティングは、今日の発見から。」

マーケティング初心者必見!施策を考える前に必要な「顧客理解」「事業理解」のすべて

マーケティング初心者必見!施策を考える前に必要な「顧客理解」「事業理解」のすべて

顧客理解と事業理解なくして、マーケティング施策で成果を出すことはできません。そこで本記事ではマーケティング初心者の方が、最初にやるべき「顧客理解」「事業理解」の方法やポイントを分かりやすく解説しています。

いきなりですが質問です。

マーケティング施策を考える前に顧客理解/事業理解はしっかりできていますか?
事業責任者と認識をすり合わせたうえでマーケティング施策の優先順位をつけていますか?

マーケティングに携わってからまだ日が浅いマーケター初心者の方は、この質問にドキッとされたかもしれません。

実際にマーケティング初心者「あるある」として、施策の検討が先行してしまい顧客理解/事業理解が疎かになってしまうことがあります。

ベテランマーケターの方に話を聞いてみても、「マーケティングを始めたばかりの頃は、この顧客理解・事業理解が浅いまま施策を考えた結果、多くの失敗をしてしまった」という体験談をよく伺います。

つまり、この顧客理解・事業理解での躓きはマーケターであれば多くの方が通る道なのです。

そこで本記事では、マーケター初心者の方がそんな躓きを乗り越えるために必要となる「顧客理解」「事業理解」の方法とポイントについてご説明します。

マーケターが担うべき役割とは?

まずは、マーケターが担うべき役割を振り返っておきましょう。

マーケティングの定義を調べてみると色々なものが出てきますが、その中でも多いのは「商品・サービスが”継続的に”売れる仕組みを作ること」です。

その売れる仕組みを作っていくためには、商品・サービスを届ける顧客(ターゲット)のことを詳しく理解する必要があります。

さらに、その商品・サービスはどういった背景で開発され、実際に売れるまでにどういった工程を踏んでいくのかなど、事業全体のことを理解していなければ、売れる仕組みは作れません。

つまり、この顧客理解と事業理解ができて、はじめて本当に成果の出せるマーケティング施策を立案できるスタートラインに立てるわけです。

とあるマーケターの方に聞いた失敗談では、「マーケティング施策を事業責任者に提案したところ、自社商品のコンセプトや競合製品との差別化要素などの事業理解が甘く、一つも提案が通らなかった。一番最初にすり合わせをしおけば…」という苦い経験があったそうです。

こうした失敗をしないように、顧客理解と事業理解の方法を押さえておきましょう。

顧客理解の方法・ポイント

まずは「顧客理解」を深めるための方法とポイントをご説明します。

顧客理解とは、単にターゲットの性別や年齢、職業、収入などの属性だけを把握することではありません。

どんな考えや価値観、ニーズを持っているのかといった、潜在的な部分(インサイト)も含めて理解することが求められます。

そのためには顧客の声を鵜呑みにするのではなく、その発言の背景にある想いや欲求などを深堀りし、本人の立場になりきれるくらい解像度を上げていくことで「真の顧客理解」へと繋がっていくのです。

日本マクドナルドの元会長である原田泳幸さんの話をご紹介します。

当時顧客に「商品化してほしいもの」のアンケートを取った結果、「低カロリー」や「オーガニック」商品という健康志向を望む声が多く挙がったようです。

しかし現実には、女性でもボリュームあるメガマックやカロリーの高いバーガーを食べている実態がありました。

つまり、顧客が話すことと実際の行動に相違があるということです。

原田さんは、「ただ顧客の希望を聞くだけでなく、顧客の真意を探り、期待をどう越えていくかを考えていくことが大切だ」とお話されています。

この話からも、顧客理解が簡単ではないことが感じ取れたのではないでしょうか。

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上記のような顧客の感情・思考・行動が目に浮かぶようなミクロの情報はもちろん必要ですが、マーケティング施策を考える上では顧客全体の傾向やデータといったマクロの情報も必要です。

そんな顧客理解の具体的な方法としては「営業担当へのヒアリング」「商談同席・顧客インタビュー」の2つがあります。

ここでもしかすると、「顧客のことは営業担当が知っているので、営業担当へのヒアリングだけでよいのではないか?」という疑問が浮かぶ方がいらっしゃるかもしれません。

確かに、営業担当からも顧客の詳細情報を得ることはできますが、どうしてもその情報は二次情報となってしまいます。

もしかすると、営業担当は良いお客様や悪いお客様だけをピックアップして話しているケースもありますし、理解しやすいように実際のお客様は使わない言葉で説明してくれるケースがあるかもしれません。

このように良くも悪くも営業担当のフィルターを通してしか顧客が見えないので、実態を掴みづらいというデメリットがあるのです。

そのため、一次情報として顧客から直接話を聞くことができるインタビューや商談同席は必ず行っていただきたいです。

顧客が話していたキーワードやフレーズを知り、それをメルマガや広告文などに活用するだけでも、顧客に響きやすいものへとブラッシュアップできるのでおすすめです。

ここで勘違いして欲しくないのは、営業へのヒアリングが不要ということではありません。

すべての顧客にインタビューしたり商談同席したりできるわけではありませんので、顧客全体の傾向を掴むためには、多くの顧客とコミュニケーションを交わしている営業担当からの情報も必要不可欠です。

また顧客理解からは少し離れてしまいますが、営業フローや営業部で抱えている課題、マーケティング部署に求めることなども聞いておくと良いでしょう。マーケティング部署の役割は売れる仕組みを作ることですので、営業部の状況をしっかり把握できるとお互いWin-Winの施策を立案できるのでオススメです。

このように大事なのは、それぞれの方法でどんな情報を得るのかを明確にしたうえで、使い分けることです。それぞれの方法の特徴やヒアリング項目例をまとめておきます。

上記の項目を参考にヒアリングをしていただきたいのですが、会話の中で「なぜそう思うのか」といった真意を探るような質問を交えてみてください。そうすることで、潜在的な価値観や考えていることの把握に繋がり、真の顧客理解へと近づいていくはずです。

また商談同席や顧客インタビューをした際には、ぜひ担当者が発していたキーワードやフレーズはメモをするようにしましょう(もし先方からの許しをもらえれば録音・録画しておくとよいかもしれません)。前述したように、マーケティング施策へ大いに役立ちます。

もし、まとまった時間がどうしても取れずヒアリングやインタビューが難しい場合は、営業担当やカスタマーサポートに届くメールを確認するのも効果的です。

メールの文章は顧客自身が書いており、“実際の生の声”に近しいものになりますので、ぜひトライしてみてください。

事業理解をする方法

次に、「事業理解」を深めるためのポイントをご説明します。

事業理解とは、自社商品・サービスの理解はもちろんですが、自社を取り巻く市場や競合情報、事業戦略などを漏れなく把握することです。

もちろん、すべてを完璧に把握するには時間がかかりますので、、1つずつ自分のペースでインプットしていきましょう。

本記事では、「1. 自社商品・サービスの理解」「2. 事業戦略の理解」に分けてご説明します。

1. 自社商品・サービスの理解

まず1つ目は自社商品・サービスの理解です。

「それくらい出来ているよ!」と思われる方が多いかもしれませんが、マーケターは商品・サービスのスペックをただ理解しているだけでは足りません。

業界における自社の立ち位置や競合を比較した上で、自社商品・サービスの強み・弱み、そして競合の最新動向などを常にキャッチアップし続けることで、はじめて「理解できている」状態だと言えます。

商品・サービスについて把握しておくべき点は以下の通りです。

✓ 自社サービス・商品の概要
✓ 自社サービス・商品の強み
✓ 自社サービス・商品の弱み
✓ 競合サービス・商品の概要
✓ 競合サービス・商品の戦略(仮説含む)
✓ 市場における認知率やシェア率

では、これらをどのように把握すればいいでしょうか。方法は以下の5つです。

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まず社内メンバーへのヒアリングでは、営業担当と商品開発担当に実施することで異なる角度の情報が得られるでしょう。

営業担当であれば、商談でどのように自社商品を売り込んでいるのか、他社とコンペになったときの競合との戦い方など、「売り手目線」で理解することができます。

一方、商品開発担当であれば、その商品の開発に至った背景や差別化要素など「作り手目線」での情報を得られます。ぜひその両面から把握するようにしてみてください。

次に顧客へのヒアリングですが、先ほどの「顧客理解」のインタビューと一緒に行うのがオススメです。しかしすべての顧客が対象ではなく、実際に競合商品と比較をして自社の商品を選んだいただいた方に聞いてみるとよいでしょう。

口コミサイトでの情報収集も有効な手段ではありますが、一つだけ注意点としては口コミを書く人は両極端に分かれやすい点です。

皆さまは、どういった商品に口コミを書きますか?

口コミを書く方の多くは「とても良かったから、その良さをみんなに知ってほしい!」もしくは「ほんとに最悪だったから、他の人も気を付けて…」のように、ポジティブな感情を強く抱いているケースとネガティブな感情を強く抱いているケースのどちらかにいるはずです。

「普通、可もなく不可もなく」といった商品にはあまり口コミを書く動機は生まれにくいので、その点をしっかり考慮した上で、情報収集をすれば素晴らしい方法です。

競合サイトチェックもマーケターであれば欠かせません。他社がどのような売りで商品を打ち出しているかは、自身の勉強にもなりますし、自社商品の打ち出し方にも大きく関わってきます。

特に自社商品が後発でシェア率がNo.1ではない場合は、同じような訴求をしても勝てませんので、他社にはない魅力を見出す必要があります。また、自社がマーケティング施策を考えるように、他社も同じようにマーケティング施策を考えています。一度チェックして終わりではなく、定期的に確認をすることで競合の動きに気付けるようにしましょう。

最後のアンケート調査は、市場における自社商品・サービスの立ち位置を把握するうえで有効な手法です。

外部の調査会社を利用して認知度を調べたり、ハウスリストにアンケートを取って満足度を調べたりと具体的な手法は様々ですが、客観的に情報を把握できます。

しかし、調査を開始してから最終的な分析が完了するまで時間がかかることは留意しておくといいかもしれません。

上記の手法を駆使して、自社商品・サービス理解を進めていただきたいのですが、顧客理解でもお伝えしたようにそれぞれの手法で収集する情報にはバイアス(偏り・先入観)がかかっていることもあります。

情報をそのまま鵜呑みにせず、客観的に吟味することが大切です。

2. 事業戦略の理解

次に、事業戦略の理解です。

事業責任者が今後どのような戦略を立てているかによって、打つべきマーケティング施策も変わってきます。

ここを把握しておかないと、マーケティングのことだけを考えた「部分最適」な施策になってしまい、事業責任者からの承認を得られません。

例えば、マーケティングでリード(見込み客)の数が足りないから、まだ具体的に商品・サービスを検討していない層へのアプローチ強化策を検討しました。しかし、営業側のリソースは逼迫しており、事業全体で見るとリードの数ではなく質を高めるべきタイミングです。このようなギャップが生まれてしまった状態で施策を提案しても、まず通ることはないでしょう。

このような事態を防ぐためにも、事業責任者との定期的なコミュニケーションは必要不可欠です。

そんな事業責任者とコミュニケーションする中で、最低限押さえておくべき項目は以下の通りです。

✓ 事業における目標売上や現状
✓ 事業責任者が思い描くミッション・ビジョン
✓ 事業責任者が考える中期・長期的な計画
✓ 事業責任者がマーケティング部署に何を求めているか
✓ 事業責任者が感じている課題点

ここでのポイントは、事業責任者へのヒアリングの前に「事前調査したうえで質問を考案すること」です。

事業責任者は忙しいため、なかなか時間が確保できない可能性もあります。

ヒアリングを有益な時間にするためにも、調べた上で分からなかったこと、把握したいことをピックアップしたうえで、質問するとよいでしょう。

また事業全体の課題やマーケティング部署に求めることは常に変化していきます。

半期や四半期に1回のペースですり合わせておくと、全体最適の施策が考案しやすくなるのでオススメです。

このようにマーケターは事業戦略も含めて理解する必要があり、経営に近い視点で物事を捉える必要があります。経営視点の持ち方は別の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひ読んでみてください。

まとめ

マーケティング施策で成果に繋げるためには、顧客理解・事業理解の2つは必要不可欠です。

その2つを把握したた上で、まずはどんなマーケティング課題があるのか洗い出し、優先順位をつけて、ようやくマーケティング施策に落とし込んでいきます。

とはいえマーケティングを始めたばかりでは、不安も多いことでしょう。特に社内に知見があまり溜まっていない場合は、すべてが手探り状態です。

もし自分たちだけでは解決できない課題があればピクルスがお役に立てるかもしれません。様々な打ち手を駆使して、成果創出に向けて一緒に伴走していきます。

どんなことをお願いできるか気になる方は、ぜひこちらのページもご覧ください。

本記事を参考に「顧客理解」「事業理解」の最初の一歩を踏み出すことを期待しています。