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5分でわかる「GA4:Googleアナリティクス4」現在との変更点を今からチェック!

5分でわかる「GA4:Googleアナリティクス4」現在との変更点を今からチェック!

デジタル技術の発展に伴い、DX(デジタルトランスフォーメーション)に近年注目が集まっています。そんなDXをマーケティングにも活用する企業が増えているため、本記事では、マーケティングDXの基本やメリット、推進ポイントについて事例を交えてご紹介します。

2023年7月に完全移行とアナウンスされたのが、GoogleAnalytics4(以下「GA4」
)です。

ところが実際にGA4を見てみると

「管理画面がガラリと変わって、今までどおり使えそうで使えない、分かりにくい!」

そんな印象を持った方もいるのではないでしょうか。

さらに、計測方法も変わりました。
「直帰率がなくなる」と聞いて、驚くのは私だけではないはずです。

使いにくいとは思いつつも、2023年7月にはGA4へ完全移行しなければなりません。
親しみ深い(そうなるように勉強せざるを得なかった)ユニバーサルアナリティクスから、GA4へ乗り換える必要があります。

そこで今回は、GA4の違いや、乗り換えるメリットについてご紹介します。
あまり深い話はせず、大まかにまとめました。5分くらいでチェックしていきましょう。

GA4とは?絶対乗り換えないとダメ?

まずはGA4とは何か、簡単に説明いたします。

GA4は第4世代のGoogle Analytics

GA4は、2020年10月にリリースされた新しいGoogle Analyticsで、4世代目です。

大きな違いとして、プライバシー保護強化の流れにあわせて、Cookieに依存しない計測方法を採用しました。そのため、これまでと収集するデータが異なります。

本記事執筆時点では、ユニバーサルアナリティクス(以下「旧GA」といいます)とGA4を両方使用できます。しかし、2023年7月1日には完全移行がアナウンスされています。また、現時点でも、新しく作成するプロパティはGA4しか作れません。

GA4が開発された経緯

「旧GAでも十分なのに、何故GA4に乗り換えなければならないのか?」と、疑問を感じる人もいるかもしれません。

もちろん、わざわざ開発されたのには理由があり、「スマホアプリ」が深く関わっています。ご存じの通り、モバイル端末が広く普及しました。レスポンシブなサイトにするだけでなく、自社アプリを活用する事例も増えています。

旧GAはWebサイトを対象とした計測ツールです。では、アプリ上のユーザー計測はどうしていたかといえば、Google Analytics for Firebaseというアプリ専用の計測ツールを使っていました。

しかしこれには1つ問題がありました。Webとアプリを横断して計測できないのです。

そこでGA4の登場です。GA4はアプリとWebを横断して計測でき、さらにPCやスマホなどの別端末でも同一ユーザーとして判断可能になりました(※1)。ユーザーの行動を、さらに詳細に分析できるようになったのです。
※1 Googleシグナルのデータ収集を「有効」に変更する必要があります

また、Cookie規制にも対応しました。GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などですね。Cookieに依存しない計測方法にして、世界的なプライバシー保護強化の流れにあわせました。

このような経緯があって、GA4は開発されましたが……
「当社はアプリを使う予定はないよ!」という方も多いかと思います。

そこで次章では、Web利用に限定される方向けの、GA4に乗り換えるメリットをご紹介します。

GA4を活用する3つのメリット

ここでは、Webの利用に焦点をあててGA4のメリットを3つご紹介します。

1. Webページ上の動画再生率もわかる!計測がより詳細になった

GA4は、ユーザーの行動をより詳細に計測できるようになりました。

たとえば、以下の指標は追加のタグ設定もなく、スイッチをON/OFFするだけで計測可能です。

ページを最後までスクロールする
ページ上の動画が再生時間の 10%、25%、50%、75% 以降まで進んだとき
PDFファイルなどをダウンロードする
サイト内検索をする
外部リンクをクリックする

(スクロールなどはこれまでも計測可能でしたが、別途タグを作成しなければなりませんでした。GA4ではより簡単に計測できるようになっています)

ユーザーの「行動」を詳しく計測できるのがGA4の強みです。

2. 「エンゲージメント」でユーザー満足度がわかりやすく

GA4から導入された指標に「エンゲージメント」があります。大まかにいうと、ユーザーがサイトにとって良い行動をとったら「エンゲージメントがある」と判断されます。

具体的には、以下の3つどれかに該当すると「エンゲージメントがあったセッション」となります。

10秒以上続いたセッション
コンバージョンがあったセッション
2回以上のスクリーンビューもしくはページビューがあったセッション

GA4では、冒頭お伝えしたように直帰率は廃止になりましたが、このエンゲージメントが直帰率に代わる指標といえます。「また面倒なスコアを……」と思うかもしれませんが、エンゲージメントを使った計測にはメリットがあるのです。

たとえば、旧GAでは商品ページを20分じっくり見てブラウザバックしたユーザーも「直帰」ですし、5秒で直帰したユーザーも「直帰」です。「直帰」だけでは正しい判断をできませんが、使い勝手のよい指標のため、直帰率はページの評価をするときに用いられてきました。

そこでGA4のエンゲージメントを使うと、より正確な評価ができます。

旧GA4とGA4のエンゲージメントの比較

エンゲージメントがあったユーザーの行動だけをフィルタリングすることも可能です。サイトをきちんと使ってくれた理想的なユーザーがどんな風に行動したのか、なんて情報も見えてきます。

3. レポートを見ながら作れるようになった

GA4ではカスタムレポートの出力イメージを確認しながら作れます。
これにより「見たいデータ」を探しやすくなりました。

旧GAでは行と列を選ぶ画面では、出力されるレポートがどんな形になるかわかりません。「この行と、この列だったら、こんなデータが見えるはず……」と予想しながら作っていましたね。

▼旧GAのカスタムレポート作成画面

旧GAのカスタムレポート作成画面

▼レポートを保存して、別ページにいかないと結果がわからない

レポートを保存して、別ページにいかないと結果がわからない

GA4ではリアルタイムでレポートを確認できるため、データを探しやすくなりました。

新しい管理画面で慣れていない分、使いにくさを感じる人も多いかと思いますが、中身はしっかりと進化しています。

新しい管理画面

さて、次は移行時の注意点についてご紹介します。

GA4移行時に気を付けるべき3つの注意点

旧GAとは仕様が異なる部分があるため、要チェックです。

1. 旧GAからGA4にデータ移行できない

とても残念ですが、旧GAからGA4にデータを移行できません。
GA4は、0から計測しなおしになります。

これにはやむを得ない理由があります。
旧GAとGA4は計測方法がまったく異なり、とれるデータが違うのです。

旧GAでは計測単位を「ページビュー」、そしてその計測方法は「セッション」ごとに行われました。しかしGA4は計測単位が「イベント」になり、計測方法は「ユーザー」ごとに変わりました。

旧GAとGA4の計測方法の比較

旧GAとGA4の計測方法の比較

このようにデータの形が違うので、旧GAからGA4のデータ移行はできません。できるだけ早めにGA4を実装し、データを蓄積しておきたいところです。(2022年現在、旧GAとGA4のタグは両方設置でき、同時に計測できます)

2. 勉強コストがかかる

GA4は計測方法が違ったり、管理画面が変わったりと、新しくなった部分が多くあります。
ある程度使いこなせるようになるまで、また勉強しなければなりません。

新しいツールのため、ネットで検索しても情報が見つからないこともあります。

また、一部機能が未実装のため、今後のアップデートにあわせて勉強コストが発生します。とはいえ2023年7月には完全移行なので、今のうちから勉強しておく必要があります。面白い部分もたくさんありますので、ぜひ触ってみてください。

3. 無料版ではデータの保存期間が最長14ヶ月しかない

旧GAは無限にデータを保存できましたが、無料版GA4では最長14ヶ月までしかデータを保存できません。世界的なプライバシー保護の強化に対応した形です。

14ヶ月(1年と2ヶ月)なので、年単位のデータ比較が難しくなりました。(初期設定では2ヶ月しか保存しないので、タグ設置後に設定を変更しましょう)

Google アナリティクス 360(以下「有料版GA4」といいます)では、最長50ヶ月(4年と2ヶ月)になり、年単位のデータ比較もしやすくなります。

追加でコストは発生しますが、有料版GA4にはビッグデータ分析ツール「Google BigQuery」との連携など、保存期間以外のメリットも多くあります。データ分析に力をいれていきたい企業は、検討してみましょう。

GA4移行に向けてマーケターがやるべきこと

デメリットはまだまだありますが、結局いつかはGA4に切り替えなければなりません。しかし、勝手にGA4に切り替わってくれるわけではないので、マーケターの皆さまには、タグ実装や付帯業務が発生します。

そこで本章では、GA4実装時に発生しそうな業務をピックアップしてみました。
今後ハードルになりそうなものがあれば、お早めに対応を検討してみてください。

GA4への乗り換え、タグ設置

GA4の設置自体は、そこまで難しくありません。旧GAと同じようにプロパティをつくって、タグを発行してサイト内に設置するだけです。

設置はタグ直書きでもいいですし、Googleタグマネージャーも利用可能です。現状のサイトと同じ方法で設置すると良いでしょう。

なお、GA4を設置しても旧GAを撤去する必要はありません。同時に計測しておきましょう。GA4はまだ新しいツールなので、上手く動かないことも予想されます。

他部署・取引先への説明

旧GAとは取得される数値が異なるため、他部署や取引先への説明が必要になるかもしれません。

「まだ導入しなくても良いのではないか?」という意見も出てくる可能性があります。マーケターとしては早めに導入したいため、意見が衝突することも予想されます。

以下のようなポイントを訴求して、導入のメリット・効果をご理解いただきましょう。

GA4によるデータ分析の精度が高まり、マーケティングの精度向上を期待できる
競合他社がGA4を活用した詳細なデータ分析・改善を行うことが予想される
世界的なプライバシー保護強化の流れに沿い、企業の守りが強くなる

まとめ

ユーザーの行動をより詳しく分析できるのが「GA4:Googleアナリティクス」です。分析方法がガラリと変わって、直帰率などが計測できなくなりました。その代わりファイルのダウンロードや、スクロール量などを簡単に計測でき、プライバシー保護強化の流れにも対応しました。

これまでと計測方法や管理画面が異なり、使いにくさを感じている人が多いのも事実です。しかし、2023年7月には完全移行とアナウンスされています。

使いにくさだけを見ると腰が重たくなってしまいますが、現行のGAも最初は大変でしたよね?最終的には慣れの問題でもありますので、これまで見えなかったユーザーの行動をもっと正確に把握できる「楽しさ」にも注目して、腹を括ることも大切です。

ページの評価を正確にできる「エンゲージメント」や、見ながら作れるレポート画面など、面白い部分がたくさんありますよ。

事情があり自社のアナリティクスにすぐ導入できない方は、Googleが用意しているデモアカウントを使ってみてください。「好き勝手に試して遊んで、レッツエンジョイGA4!」精神で頑張りましょう。

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