失敗しない協力会社の選び方:業務委託先を見極めよう
更新日:2022.8.2 公開日:2021.5.31
事業会社で1人でマーケティング業務を担当しているマーケターの業務範囲は想像以上に膨大です。
そのため全ての業務を自分1人でこなそうとすれば、「本来手を付けるべき中長期を見据えた仕事に全くたどり着かない」といった状況に陥ってしまいがちです。
さらに2~3人で役割分担をして進めている小規模のマーケティング組織であっても、自社のみで全ての仕事を回そうとすると、同じような状況に陥ってしまうかもしれません。
そのような状況下で必要になってくるのが、適切な協力会社の力を上手く借りることです。
しかし、今1人で悪戦苦闘している方の中には
「過去に協力会社選びに失敗してしまった…」
「なんでもお任せという協力会社に依頼しているが、想定していた成果が出ていない…」
といった悩みを抱えている方がいるのも事実でしょう。
そこで今回は協力会社選びに失敗してしまう理由を踏まえて、協力会社を選ぶときのポイントを見ていきます。
なぜ協力会社選びに失敗してしまうのか?
マーケティングの協力会社と一言で言っても、マーケティングコンサルを行っている会社や、コンテンツ制作支援を行っている会社、SNSマーケティングを専門で支援している会社など様々です。
以下にあげる2つの失敗理由は、協力会社の支援領域に寄らず共通しているものです。
過去に失敗経験をお持ちの方は振り返りながらぜひご覧ください。
よくある理由1
「協力会社にかける予算がそもそも少ない」
1つ目の理由は予算です。
初めて協力会社に依頼するケースでは、「協力会社にお金をかけるのもったいない気がする」といった考えから価格重視で会社を探してしまいがちです。
実際に「業界最安にもかかわらず、最高のパフォーマンスをご提供」と謳っているサイトがたくさんあるので、その中から選びたくなる気持ちはわかります。
しかし、安かろう悪かろうは事実で、基本的には金額分の見返りしか返ってきません。
サービス提供者の視点で考えてみてください。
もし優秀な社員を抱えている会社であれば、人件費の総額は高くなるはずです。
その優秀な社員の人件費を支払うために、ご自身ならどうしますか?
A:低単価で質そこそこのサービスを大量のお客様に販売する
B:高単価だが高品質のサービスを付き合いたいお客様に絞って販売する
せっかく優秀な社員がいるのであればきっとBを選びますよね。
つまり高品質のサービスを求めるのであれば、その分高額になってしまいます。
適切な予算の確保をするのが協力会社選びで失敗しない必須条件となります。
よくある理由2
「協力会社と十分な信頼関係を築くことができなかった」
2つ目の理由は協力会社との信頼関係です。
「えっそんなこと?」と思われるかもしれませんが、ここが落とし穴になるケースは意外と多いです。
そしてこの信頼関係を築けない理由は、サービスを提供する側と提供される側の双方にあります。
サービスを提供する側は本来、お客様の立場になって必要な情報を嘘偽りなく開示するのが理想です。
「その領域は我々の得意分野ではないので、別の会社にお願いしたほうが成果が上がるはずです」
「少し耳の痛い話に聞こえるかもしれませんが、我々としてはこうしたほうがいいと考えています」
例えば上記のように、相手のことを第一に考えてコミュニケーションをしてくれる会社であれば信頼できそうですよね。
しかし実際には
「(本当は得意ではないけど…)それなら当社にお任せください!」
「(そのやり方では成果が出ない気がするけど…)その内容で一度やってみましょう」
のように得意分野すべて・不得意分野なしといったスタンスの会社や、こちらがお願いしたことすべてに迎合する会社が数多く存在します。
それで成果が出なかったら、「得意って言ったのに…」「同意してくれたのに…」と信頼を失うのは容易に想像ができることでしょう。
サービスを提供される側の立場でも考えてみます。
実はこちらの理由もサービス提供者側と同じで、情報を適切に協力会社へ開示しないことにあります。
「まだ付き合いが浅いから大事な情報はお伝え出来ない」
「自分は成果が出ていると考えているけど、上司はそう思っていない」
「会社からの指示でとにかく短期の成果を求められているけど、非現実的(だと自分が認識している)だから言わない」
など理由は様々ですが、相手に自分(自社)の状況を伝えないことがあります。
しかし信頼関係は片方だけが築くものではなく双方が築き上げるものです。
自分には些細な情報であっても協力会社にとっては極めて重要なこともあります。
もちろん社外秘の情報を伝える必要はありませんが、できる限り情報を開示すればきっと力になってくれることでしょう。
(NDA:秘密保持契約を締結するなどの手続きも忘れないようにしてください)
ここで問題になってくるのが、その会社を果たして信頼してよいのかの見極めです。
それでは次に見極めのポイントについて考えていきましょう。
信頼関係を築くべき協力会社の見極め方
マーケティング支援を事業として行っている会社は数多くあります。
各社のWebサイトを見てみると、どこも自社の良いところが書かれているので、結局違いが分かりにくいのが実情です。
そのため担当者とのコミュニケーションや提案内容から見極めていく必要が出てきます。
具体的なチェックポイントを3つご紹介しますので、参考にしてみてください。
チェックポイント1
営業担当者/運用担当者にコミュニケーション力があるか
基本的に協力会社との関係というのは、数か月単位ではなく年単位で続いていきます。
そこで大切になってくるのが、担当者と円滑なコミュニケーション(会話・文書問わず)をとれるかどうかです。
具体的には以下の事項を打ち合わせやメールのやり取りで確認してみてください。
・こちらが伝えた内容の意図をしっかりと汲み取ってくれるか
・相手の話をすぐに理解することができるか
・こちらの理解度を確認しながら話を進めてくれるか
・メールの要件が分かりやすくまとまっているか
上記のうち、一つでも当てはまらないものがある場合は、中長期の付き合いを見据えると避けたほうがいいかもしれません。
そしてもう一つ気を付けるべきポイントとしては、契約前後で担当者が変わる場合です。
営業担当社者とはコミュニケーションが円滑にとれていたとしても、契約後の運用担当者とコミュニケーションがうまく取れなくて困ったケースは少なくありません。
可能であれば運用担当者にも契約前の打ち合わせに同席してもらうなど、コミュニケーション力については事前に確認しておきましょう。
チェックポイント2
自社の強みだけでなく弱みも明確に教えてくれるか
担当者と打ち合わせをした際に確認してほしいのが、自社の強み(得意領域)だけでなく弱み(苦手領域)についても開示してくれるかどうかです。
全てのマーケティング分野に精通している協力会社は、ほとんどありません。
どの会社にも強みとしている分野があり、弱みとしている分野(知見がない/薄い)を持っています。
しかし会社によっては、より多くの受注を得るために自社に知見が溜まっていない分野においても「当社にお任せください!」と自信満々に答えるところもあるでしょう。
信頼関係は双方が築き上げるものですので、相手側が正直に自社の強み・弱みを開示してくれる企業であれば、自分も安心して相談できるのでより良い関係が構築できるはずです。
そのためにも、打ち合わせの場では相手の話をすべて鵜呑みにせず、具体的な支援実績があるか、強味・弱みにしている分野をこちらから聞いてみるなど、事前に確認しておきましょう。
チェックポイント3
自分と同じ目線に立ってくれるか
これは協力会社から上がってきた提案内容などから確認ができます。
注意点としては、協力会社に対して自社の現状や自分に課せられているミッション、困っていることなどをしっかりと伝えられているのが前提です。
もしも協力会社が同じ目線に立ってくれているのであれば、提案内容に伝えた現状が反映されていることでしょう。
例えば「社長からどうしても○○は先に取り組めと言われている」など譲れない条件を伝えたにも関わらず、テンプレ通りの提案をしてくるなどの場合は気を付けたほうがいいかもしれません。
まとめ
ここまで協力会社選びで失敗してしまう理由と見極め方をご紹介してきました。
本内容をもとに協力会社選びが成功することを祈っていますが、失敗してしまう可能性はゼロではありません。
マーケティングの基本はトライ&エラーの繰り返しです。
そして協力会社選びについても同様にトライ&エラーの視点を忘れないでください。
もし契約をはじめてから違和感を感じた場合は再選定も含めて考えてみるのも一つの選択肢です。
本コラムによって適切な協力会社とパートナーを組むことができ、1人マーケターの皆さまの業務負担が軽減し、成果の向上につながったらうれしく思います。
ピクルスでもマーケティングに関するご相談をいつでも受け付けております。
その際には、このチェックポイントを利用して、ピクルスが適切な協力会社かどうか見極めてみてください(笑)
マーケティング戦略などの上流からご相談可能ですので、お気軽にご連絡くださいませ。
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