ALBION
診断コンテンツ「肌リウム」実現の裏側
商品のブランドコンセプトに寄り添った提案がきっかけに。ピクルスと二人三脚でつくりあげた診断コンテンツ
株式会社アルビオンは1956年に設立した化粧品メーカーです。様々な商品を開発・リリースしてきた同社は、2022年8月18日に「フラルネ」という新しいスキンケアシリーズの販売を開始しました。
このたび、「フラルネ」のプロモーション施策として診断コンテンツ「肌リウム」を作成いただきましたので、診断コンテンツが完成するまでの過程や、ピクルスとの仕事の進め方について推販部の山口様にお話を伺いました。
ALBION 推販部 推販グループ
セールスプランナー
山口 郁真
株式会社ピクルス
クリエイティブディレクター
安藤 久美子
株式会社ピクルス
コミュニケーションデザイナー
宇美 香里
株式会社ピクルス
エンジニア
大和田 晃平
株式会社ピクルス
エンジニア
吉田 悠太
株式会社ピクルス
Webディレクター
橋本 健
肌リウム
「新商品の販売をWebでなんとかしたい」漠然とした思いから、ピクルスに相談
-今回新しくリリースされた「フラルネ」の商品について教えてください。
山口郁真氏(以下、山口氏):「フラルネ」は2022年8月にリリースしたスキンケア商品の新シリーズです。
これまで、スキンケア商品の中で最も多くの方にご利用いただいてたのは、「エクサージュ」というブランドでしたが、このエクサージュを一新する形で「フラルネ」を立ち上げました。
フラルネのコンセプトは「お客様の肌性格に合わせたものを選んでいただく」です。
従来のエクサージュは「潤い」をキーワードにしたシリーズでしたが、お客様の肌性格に合わせたカスタマイズが昨今の主流になっていることもあり、フラルネでは特定のキーワードを設定していません。
ターゲット層は20代から30代前半を想定し、エクサージュでは獲得できていなかった新しいお客様の取り込みを期待しています。
-フラルネの商品における山口様のポジションについて教えてください。
山口氏:私は推販部に所属しており、現場の支店に一番近い本社の部署という位置づけで、支店をバックアップすることが役割です。
具体的な仕事内容としては、全国の取引店を集めたセミナーを開催したり、達成ツアーを計画したり、営業研修を実施したりと多岐に渡っています。
支店や営業部隊から求められていることに直接応える部署であるため、どれだけ売上に繋げられるかが重要です。企画部門と異なる点としては、Webマーケを活用して認知率を上げようとか、CTRをどれだけ上げようなどは求められていません。店頭で商品を売ってる販売者目線では、「店頭にどれだけお客様が来たか」が最も興味を持っているポイントだからです。
その推販部において、私はフラルネの責任者を務めており、どのようにフラルネを売り出していくべきかを検討していました。
-フラルネの販売に関してどのような課題があって、今回ピクルスにご相談いただいたのでしょうか?
山口氏:先ほどもお伝えした通り、エクサージュの「潤い」のような特定のコンセプトを示すキーワードが、フラルネには設定していません。またボトルの色もナチュラルで目立ちにくいため、「商品に興味を持ってもらうにはどうすればいいか」を悩んでいました。
当時、「何かWebを使った施策はできないか」と漠然と考えていた中で、ピクルスさんにお問い合わせしました。
ピクルスさんには以前もランディングページの制作などでお世話になっていたことがありました。その時のスピード感とクオリティの高さにはとても満足しており、特にクオリティの面では、弊社の中でも言語化しきれていないブランドイメージを汲み取っていただき、アルビオンらしさを表現してくれたのが大変ありがたかったです。
こうした背景もあり、今回もきっと力になってくれるはずとの想いでご連絡しました。当時抱えていた悩みやフラルネの特徴をお伝えしたうえで、フラルネのブランドサイトと診断コンテンツの作成をご依頼することになりました。
企画から制作まで、ピクルスと二人三脚で進める
-今回作成した診断コンテンツについて、具体的に教えてください。
山口氏:今回作成したのは「肌リウム」という27種類のハーバリウムからユーザーの肌を診断するコンテンツです。
肌リウム
肌の状態に関する質問にいくつか答えることで、ユーザーのイメージにあったハーバリウム*が生成されていきます。診断では肌のお手入れのアドバイスを伝えながら、自然な形でフラルネの認知を拡大し、興味を持ってもらうことを目的としています。
*ハーバリウム:瓶の中にオイルで漬けた花を入れたフラワーインテリアのこと
ハーバリウム
-「ハーバリウム」をモチーフに選んだきっかけはあったのでしょうか?
山口氏:フラルネのブランド名には「運命の小瓶」という意味があります。この「瓶」から着想を得て、ハーバリウムを使ってみるのはどうか、とピクルスさんから提案いただいたのがきっかけです。
私一人でこのようなアイデアを出すことは難しかったと思います。販売に携わっていると、ブランド名の語源などのコンセプトはつい忘れがちになってしまうため、そこに目をつけてくれたピクルスさんには感謝しています。
ハーバリウムの他にもいくつか案はいただいたのですが、ブランドのコンセプトから発想する面白さや、ターゲットである女性にも受けが良さそうなことから、やはりハーバリウムの案が一番ビビッときましたね。
-ハーバリウムの案について、社内での評判はいかがでしたか?
山口氏:商品のターゲットが女性ということもあり、女性の美容部員やその部長に意見を聞きました。「なぜハーバリウムをモチーフに選んだか」の背景から伝えると、全体的に良いリアクションをもらえたので採用を決めました。
企画から伴走するピクルスならではの制作のこだわり
-では、ピクルス側の話も聞いてみましょう。全体のディレクションを担当した安藤さんは、今回の問い合わせをいただいた段階で、どのように解決しようと考えましたか?
安藤(ピクルス):お問い合わせ内容を最初に拝見したときは、「これは大きなプロジェクトになりそうで大変だ」と思ったのと同時に、「ブランドの立ち上げに携われるとは、こんな光栄なことはない」と感動した記憶があります。
アルビオン様からの期待に全力でお応えするためには、「アルビオン様の社員の方に匹敵できるほど、自分の中でブランドを腹落ちさせよう!」と思い、共有いただいた資料を何度も読み返しました。
そのうえで、ピクルスらしさとして「どこかで見たことがあるような制作にはしたくない」という想いがあったため、「コスメだったら一般的にこうだよね」ではなく「フラルネらしさ」が伝わる提案を考えました。
もちろん、突飛すぎてはいけないので、しっかりとバランスを考えつつ、フラルネらしさをユーザーに覚えてもらう施策を心がけました。
最初はテキストベースで3案ほどコンセプトを出し、山口様とメール上で意見交換をしながらアイデアの発散をしていきました。
決めうちで1案だけを提案すると判断しにくいため、複数案を出すことは常に意識しています。方向性が違う案や少しずらした案をお見せすることで、適切な判断がしやすくなると考えています。
肌リウムのデザイン写真
-デザインを担当した宇美さんは、何かこだわったポイントはありますか?
宇美(ピクルス):今回の「肌リウム」の診断に参加したユーザーが、結果ページで一番見たいのは「自分のお花はどんなものだろう」「どんな綺麗なハーバリウムができるんだろう」だと思います。
だからこそ、ハーバリウムをメインに目立たせるため、背景などのデザインは落ち着いた雰囲気で、フラルネの商材と同じようなマットな色合いを使用しました。
化粧品の中でも、フラルネのようなマットな色合いは珍しいと感じたため、この特徴をうまくデザインに反映できるように意識して制作をしました。
診断結果画面
-そのデザインを構築してくれたエンジニアの吉田さんは、実装の面でこだわったところはありますか?
吉田(ピクルス):アルビオン様の上品なイメージは踏襲しながらも、ハーバリウムが持つ自由気ままな感じを出したいと考えていました。
そのために、オブジェクトを敢えて不規則に動かすなどの工夫をしています。最初は自分の中で納得がいかない箇所もあったのですが、安藤さんと相談しながら何度も試行錯誤を繰り返していくことで、上品で落ち着きがあり、なおかつユーザーがストレスを感じにくいアニメーションになったと思います。
また、私自身はピクルスに入社してまだ日が浅いにも関わらず、今回のような重要プロジェクトを任せてもらえたことは、プレッシャーはありつつも大変ありがたかったです。
ハーバリウムの写真
-最後に、カメラマンを担当した大和田さんはいかがでしょうか?
大和田(ピクルス):ハーバリウムの撮影を担当したのですが、まず瓶自体を撮るのが非常に難しかったです。
瓶が透明で光を透過してしまうため、輪郭をしっかり表現しながら撮影するのは大変でした。さらに、ハーバリウムに使うオイルを瓶に入れると映り方がさらに変わってしまいます。もちろん、角度によっても見え方が大きく変わるため、試行錯誤しながらの撮影になりました。
もともと完成イメージが固まりきった状態で撮影をスタートしたわけではなかったこともあり、様々な角度でいくつか試し撮りをする中で、最適な構図を探し出しました。
限られた時間での撮影でしたが、最終的には納得のいく写真が撮れたと思います。
プラスアルファの提案で、一緒に良いものを作り上げる
-結果的にピクルスにお願いしてよかったと思うことがあれば、教えてください。
山口氏:Webマーケティング支援のプロとして様々な提案をしてくれたのは、とてもありがたかったです。
他社さんの場合、「ここはこう直したらいいんじゃないですか」と伝えると、その通りに修正されることがほとんどです。もちろん、言った通りにやってくれるので不満はありませんが、「私のような素人の意見をそのまま通して本当に良いのだろうか」という不安な気持ちも正直あります。
一方でピクルスさんは、積極的にプラスアルファの提案をしてくれたり、こちらが気づかないところも指摘してくれたりするので、相乗効果で良いものを作り上げることができて大変感謝しています。
-最後に、今後ピクルスに期待したいことなどがあれば、お聞かせください。
山口氏:今回のような診断コンテンツに限らず、もっと上流の部分から「こんな施策をやってみたらどうでしょうか」と新しいアイデアをいただけるとありがたいです。
-今回は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。上流からのサポートはまさに力を入れていこうとしているので、ぜひ今後も協力させていただけると嬉しいです。
(文:関田秀平)2018年に営業からマーケターに。現在まで2社の「BtoB人材育成サービス会社」でマーケティング責任者を務める。ナーチャリングを含めた戦略設計に強みがあり、高い改善値を出す。施策実施に関しての経験も多く、具体的な打ち手についても得意領域である。ビジネス研修や人事向けイベントの登壇も多数。