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クライアントインタビュー 02

NTTレゾナント

3,000以上の投稿数が獲得できた裏側「おしトピ by 教えて!goo」Webプロモーション。

サービスのコンセプトをきちんと理解した上で、志高い企画をピクルスは提案してくれた。ハードルが高くても、ぜひチャレンジしたいと我々に思わせてくれるものでした。

インタビュー風景

教えて!gooの新サービスとしてスタートした「おしトピ by 教えて!goo」。ピクルスはサービス開始記念キャンペーンとして、第1弾「考える力診断」/第2弾「教える力コンテスト」の企画提案からデザイン、実装までを担当した。サービスの認知拡大はもちろん、ユーザーの獲得・定着化といった数値目標を見事達成したキャンペーン制作に関して、NTTレゾナント株式会社の小原氏、河村氏を交えて詳しく伺った。

小原 大介

NTTレゾナント株式会社 広報担当 主査

小原 大介

河村 智司

NTTレゾナント株式会社 メディア事業部
ソーシャルサービス部門 主査

河村 智司

タナカ ミノル

クリエイティブディレクション、コピーライティング 担当
株式会社ピクルス

タナカ ミノル

高橋 晋一朗

アートディレクション、デザイン 担当
株式会社ピクルス

高橋 晋一朗

ピクルス起用の決め手は、「おしトピ」というサービスに対する理解力の高さ、その上でハイクオリティの企画を提案してくれたこと。

インタビュー風景

河村智司氏(以下、河村氏):まず「おしトピ」とは、編集部が発信するオーダー(お題)に対してユーザーが回答するというコミュニケーションサービスです。ユーザーは質問するのではなく“答える”ということに特化しているのが大きな特徴で、ユーザーが答えることをきっかけに「考える」力を養い、さらに答えることで「意見・知識・経験」を多くの人と共有できる。ユーザーからも非常に評価の高いサービスです。

小原大介氏(以下、小原氏):「おしトピ」は回答するユーザーがいなければ始まらないサービスです。「おしトピ」というサービス自体を知ってもらうことはもちろん、「おしトピ」で答えを投稿してくれるユーザーを集める必要がありました。そこで立ち上げの際、この2つの目標を効果的に達成するため、2段階に分けてプロモーションを行うことにしました。コンペの際には「第1弾、第2弾という枠組みの中で、期待できるユーザーを多数獲得し、数値目標を達成でき、かつサービスコンセプトを体現した話題性のある企画」の立案を依頼しました。

河村氏:ポップでキャッチーだけど、一過性で終わりそうなキャンペーン提案が多い中、ピクルスだけがこの「おしトピ」というサービスのコンセプトを解析して、我々のオリエンからさらに踏み込んだ解釈をして提案してくれました。まずそこがすごく刺さりましたね。

タナカミノル(以下、タナカ):「教える=自分で考えたことを伝える行為である」という解釈の元、第1弾ではライトな診断コンテンツでユーザーを獲得し、第2弾では少し難易度を上げたお題に対して回答してもらい、ユーザーの獲得・定着化を目指す、という提案を行いました。

小原氏:正直、参加ハードルが高い企画ではありましたね。ただピクルスさんは「おしトピ」のコンセプトを理解した上で、その中から本当に必要なものは何か、というものを抽出してハードルを設定していた。このハードルを越えてくれたユーザーは、きっと「おしトピ」の継続的な利用者になってくれるだろうという期待が募りました。ただ数値目標は達成できるのか、という不安は少しありましたが(笑)幸い、届けたいユーザーにきちんと届くのであればかまわないという社風でしたので、志高い企画に対し、我々もぜひチャレンジしてみようと。

河村氏:ピクルスさんは「おしトピ」に対する理解力が非常に高く、その上でハイクオリティの企画を提案してくれたことが他社との大きな違いであり、決め手でしたね。

インタビュー風景

第1弾「考える力診断」について

選択式と自由記述式の4つの質問に答えるだけで、「考える力」が診断できるコンテンツ。自由記述式の最終問題は、答えることで自動的に「おしトピ」に投稿できるようになっており、診断を楽しみなら「おしトピ」の仕組みを理解できる設計となっている。

「考える力診断」のトップページ。

「考える力診断」のトップページ。

いただいたアイデアをベースに、とにかくディスカッションを繰り返して、診断結果は729パターンに。

小原氏:第1弾で目指したのは、まず幅広いユーザーに「おしトピ」というサービスを知ってもらい、一度利用してもらうこと(会員登録⇒投稿)。さらにSNS等に拡散してもらい、話題性をつくることでした。

タナカ:そのため診断の一番の目的は、最終問題をやってもらう(=回答を投稿してもらう)ことだったので、まずはわかりやすくトライしやすい3問を最初に設定しました。これはライトな質問を続けると、結果を求めるが故に、ハードル高めの質問にも答えてくれやすい、といったこれまで診断コンテンツを多数制作してきた経験値を活かせました。

河村氏:質問内容はピクルスさんからいただいたアイデアをベースに、とにかくディスカッションを繰り返して決定しました。最終的に診断結果が729パターンというすごい数に。

質問画面と診断結果のパターン画像。

質問画面と診断結果のパターン画像。

タナカ:診断を作る際、プログラムが組みやすいようロジックを考えて設計したこともあり実装はスムーズでした。ただ、729パターンの結果をすべて人的にチェックする必要があったので、これはさすがに大変でした(笑)でも間違った結果が出てしまうとサービスへのクレームになるので、そこは社内でしっかりデバッグを行いました。

河村氏:そのおかげで、クレームはまったくありませんでしたね。また技術的な面では、サーバーの都合上、診断結果の画像だけを吐き出すプログラムを作っていただいたり、別途APIを組み込んだり、検証用タグの埋め込みなども発生し、弊社の開発チームとのやりとりをお願いしました。こちらも滞りなく進行できまして、ピクルスさんの技術力の高さに非常に助けられましたね。

実際に提案したデザイン資料。

実際に提案したデザイン資料。

小原氏:デザイン面も、「おしトピ」のロゴやイメージカラーを上手に絡めてくれたクオリティ高いものを何パターンかすぐ出してくれまして、1発で決まりました。修正もほぼなかったです。

高橋晋一郎(以下、高橋):「考える力診断」のデザインはシナプスをイメージしたんです。「考える」「教える」ことから頭の中の細胞が活性化して、三角がどんどん伸びていく感じが伝わればいいなと。

タナカ:これまでたくさん診断コンテンツをつくってきましたが、この「考える力診断」は弊社の自信作と胸を張って言いたいです(笑)

小原氏:「本当に面白い!」とツイッターでもかなり拡散されまして、話題性という面でもバッチリでした。

インタビュー風景

第2弾「教える力コンテスト」について

幼児に「宇宙の素晴らしさ」を、中学生に「今、何に時間を使うべきか」を、高齢者に「スマホの素晴らしさ」を、それぞれ自由記述式で教えようという企画。実際に3つのカテゴリの人たちに審査員になってもらい、最もわかりやすく教えられたユーザーに豪華賞品が贈られるというキャンペーン。

「教える力コンテスト」のトップページ。

「教える力コンテスト」のトップページ。

3,000以上の予想を超える投稿があってうれしい悲鳴を上げました。

小原氏:第1弾との大きな違いは、ただ投稿をしてもらうだけじゃなく“考えて”投稿してもらうことです。考えて質の高い投稿をすること=「教える」経験を積む。まさに「おしトピ」が理想とするユーザーであり、これを定着化させたかった。

河村氏:第2弾で獲得したユーザーの「教えたい」という欲に訴えかけるお題にするため、難しいけれど知的好奇心をくすぐられる、課題を与えられているのに楽しめる、といった内容を目指しました。これも決定までとにかくディスカッションを重ねましたね。結果、自分の経験をもとにしたり、想像させたり、説得させたり、といったバラエティに富んだ「教える」というお題が出せたと思います。

お題の回答画面。

お題の回答画面。

完了画面。ポイントとバッジの獲得も。

完了画面。ポイントとバッジの獲得も。

小原氏:3,000以上の予想を超える投稿があってうれしい悲鳴を上げました(笑)そのすべてに目を通してオブザーバーの佐々木さんと一緒に候補作を選びました。大変でしたが、それよりも真面目で質の高い投稿が揃ったという喜びの方が上回った。きちんと考えてくれたんだな、とわかる濃く長い投稿が多かったです。

タナカ:キャスティングに難航したりしましたが、無事にコンテストも開催できました。コンテストは予想とまったく違った結果になったりして非常に面白かったですね。

河村氏:Webサービスの運営で、ユーザーとリアルに触れ合う機会はほとんどないですから、貴重な体験でしたね。企画をちゃんとしたリアリティのある確かなものにできたと思います。

小原氏:第2弾はツイッターでの反響はもちろん、フェイスブックの「いいね!」ボタン数が9,000近くあったんです。評価につながった証としてとても感激したのを覚えています。それとPR効果が高く、教育系のメディアにも取り上げられ、求めていた「教える」というところに力点を置くユーザーに対して、きっちりお届けできたというのがプロモ担当冥利につきました。

インタビュー風景

ピクルスの良さは、企画提案力、技術力、デザイン力、実行力、評価する点は多数ありますが、あきらめない粘り強さも僕は入れたいです。

河村氏:今振り返っても、「おしトピ」というサービスを開始するにあたって、ピクルスさんと組んでこのキャンペーンを実施できたことは、本当に良いスタートダッシュだったなと改めて思いますね。

小原氏:キャンペーン内容の質も良く、最終的には懸念していた目標値も見事達成しました。本当に万歳!という感じです(笑)

河村氏:サービスを開始して1年になりますが、今「おしトピ」に継続的に投稿してくれるユーザーは、このキャンペーンがきっかけで「おしトピ」を始めたという人が多いんです。キャンペーンとして一過性で終わるのではなく、継続的に投稿してくれるユーザーを集める、という目標もクリアできた。これも素晴らしい結果です。

小原氏:あとは本当にタイトスケジュールの中、これだけの企画を立て、デザイン、実装まで対応してくれた実行力ですね。第1弾なんて、企画から納品まで正月休みを挟んで約1ヶ月ほどしか時間がありませんでしたから。

タナカ:こちらこそスケジュールをきちんと把握して、密なミーティングやお戻しなど、できる限りの協力を惜しまずやっていただいたことにとても感謝しています。

小原氏:あと提案内容にちょこちょこ小技が効いてるところも良かったです(笑)キャンペーンのフックの弱さを解消するプレゼントだったり、掲載メディアのアドバイスだったり。

河村氏:そして何より「あきらめない」ところですね。実は最初のプレゼン時に、提案内容の一部に関して、結構強いダメ出しをしたんです。どうなるかなと思ったんですが、わずか2日後に我々の要求をきっちり満たした、魅力的な企画案が上がってきたんです。

タナカ:正直、あのときはもうダメだと思ったんですが(苦笑)、ギリギリまで粘ろう、もうワンステップクオリティを上げたものを提案しようと奮起しましたね。

(取材・文:横井佐代子)広告会社での化粧品プロモーションにはじまり、「@cosme」「GyaO」などの編集を経て現在フリーランスのライターとして活動中。Webを中心に幅広く執筆している。